ジャーナリスト向けツールを集めたGoogle Media Toolsサイト公開―マップAPIのチュートリアルなども提供

GoogleはGoogle Media Toolsというメディア、ジャーナリスト向けのツールを集めたサイトをローンチした。Google検索、トレンド、マップなど記者や編集者などのジャーナリストに役立つツールを一箇所に集め、さらにそれぞれの効果的な利用法のチュートリアルを提供するものだ。このサイトには選挙から災害の報道まで、記事をわかりやすく、強く印象づけるさまざまな手段が集められている。

このツールのセットは先週開催されたOnline News Association (ONA)の2013年カンファレンスで発表されたものだが、今日(米国時間10/21)、Googleの公式ブログを通じて一般公開された。

Google Media ToolsはさまざまなGoogleサービスへの単なるリンク集ではない。ジャーナリストは、Googleの透明性レポートの仕組みやGoogle Maps APIを使って記事にビジュアルに印象的なカスタム地図を埋め込む方法などを学ぶことができる。

また執筆した記事をGoogleのさまざまなプラットフォーム上で公開するための正しい手順についても解説されている。たとえばGoogleニュースに収録させるための手続きやGoogle+ハングアウトを利用してビデオインタビューを一般公開する方法などだ(私自身の個人的経験からしてもビデオチャットを利用したリモート取材の必要性は非常に高まっている)。

GoogleがMedia Toolsをスタートさせたのは、ライバルのFacebookとTwitterがそこで生産されるさまざまなソーシャル・データを積極的にジャーナリストに提供する努力を続けているのに対抗するためだろう。この夏FacebookはTwitterの後を追って公開投稿を他のサイトにエンベッドできる機能を追加した。同時にFacebookはトレンド、ハッシュタグ、認証ユーザーなど他のTwitterの機能も取り入れた。Facebookはまた最近、公開フィードAPI、キーワード・インサイトAPI発表した。これはCNN、Today Show、BSkyBなど一部の有力メディアにFacebookの公開データ全域に渡ってキーワードなどによるあらかじめプログラムした検索の実施を許すものだ。

こうしたツールの利用はメディア関係者に限られるわけではない。企業やマーケッターにとってもコミュニケーションの効果をアップするのに使える。今やデータこそ商品の時代だ。

Twitterの場合、早くからサービスをメインストリーム・メディアで利用にしてもらうよう売り込む努力を重ねていた。これによって一般ユーザーのTwitterへの認知が高まり、その利用法も広く知られるようになった。Googleの知名度はもちろん圧倒的だが、それでも利用者を増やす努力は止めていない。特にスマートフォンとタブレットの登場によって新たにインターネットのユーザーに加わった層に対するアピールには力を入れている。

Googleのメディア支援責任者、Daniel Siebergの説明によれば、「この新サイトはジャーナリストが取材し、読者にインパクトを与える記事を制作する過程で利用できるインターネットの資源のショーウィンドウを提供するのが目的だ。今後、ケーススタディー、チュートリアル、多言語サポートなどによってさらに内容を拡充していく予定だ」という。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+