ジープが新型グランドチェロキーのプラグインハイブリッド車を発表、電気のみで約40kmを走行可能

公約通り、Jeep(ジープ)は米国時間9月29日、「Grand Cherokee(グランド・チェロキー)」初のプラグイン・ハイブリッド車に関する詳細を明らかにした。この「Grand Cherokee 4xe(グランド・チェロキー・フォーバイイー)」は、2022年初頭に北米のディーラーに並ぶことをジープは認めている。そしてその性能は期待以上と言っていいだろう。電気のみで25マイル(約40km)の距離を走行可能、といっても必ずしも毎日の通勤をすべてカバーできるわけではないかもしれないが、ジープは2.0L直列4気筒ガソリンエンジンに火を入れなくても、坂道をぐんぐん登っていける、荒削りだが目的に適ったPHEVであることを約束している。ちなみにガソリンも使った場合の航続距離は440マイル(約708km)となっている。

電気のみによる走行の他に、エンジンとモーターを組み合わせて最適なパフォーマンスを発揮する「ハイブリッド」モードや、容量17kWhのバッテリーをなるべく残しておくために、エンジンを優先的に使用する「eSave」モードを選択することもできる。

車内にも期待通り、多くの新しいテクノロジーが採用されている。前席と後部座席の前に備わる10インチのディスプレイには、Amazon Fire TV(アマゾンファイヤーTV)が組み込まれており、つまり移動の間、後席の子どもたちはPrime Video(プライム・ビデオ)を観ていられる。車載インフォテインメント・システムには「前世代より5倍も速い」という最新の「Uconnect 5」を採用。無線アップデートにも対応している。

4xeを含む新型グランド・チェロキーは、電子制御式セミアクティブ・ダンパーを採用したエアサスペンションを装備し、オフロード走行性能が向上した。路面状況から全輪駆動が必要ないと車両が判断した際には、前輪の駆動力が自動的に切り離され、駆動装置の抵抗を軽減させて燃費を向上させる。オプションの「Active Driving Assist(アクティブ・ドライビング・アシスト)」システムを使えば、ハンドルに手を置いて道路を注視している限り、半自動運転が可能だ。ジープによれば、グランド・チェロキー4xeのプラグインハイブリッド・システムは、1基の内燃エンジンと2基のモーターの組み合わせで、最高出力375馬力(280kW)と最大トルク637Nmを発生し、最大6000lbs(2720kg)の牽引力を発揮するという。

グランド・チェロキー4xeには、Limited(リミテッド)、Trailhawk(トレイルホーク)、Overland(オーバーランド)、Summit(サミット)、Summit Reserve(サミット・リザーブ)という4種類の仕様が設定されるが、いずれも価格はまだ明らかにされていない。しかし、これがジープ・ブランドにとって重要な車であることは、すでに明らかだ。ジープを傘下に収めるStellantis(ステラティス)は、ライバル企業に追いつくために電動化を競っており、2025年までにすべてのSUVに完全電気自動車バージョンを投入する計画を掲げている。プラグインハイブリッドは、それに向けた重要な第一歩である。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Jon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Jeep

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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