スキルのC2Cサービス「ココナラ」が物販にも進出ーー今春からハンドメイド作品の取り扱いを開始

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個人のスキルのマーケットプレイス「ココナラ」は、本日ハンドメイドのEC領域に進出することを発表した。「ココナラ ハンドメイド」は2017年3月8日に正式ローンチする予定で、出品者の登録は本日より受け付ける。

2012年にサービスを開始したココナラは、ユーザーが自身の知識・スキル・経験を売買できるC2C型のマーケットプレイスだ。もともと出品サービスは一律500円だったが、現在は購入者がおひねりを追加したり、価格設定も5万円を上限に変更したりできる。人気の商品は占いやイラスト作成などだが、ビジネス用途でもリサーチ代行やプレスリリースのチェック作業といったサービスの出品がある。

ココナラ自体は無形サービスに特化したマーケットプレイスだが、「ココナラ ハンドメイド」のローンチでモノの出品もできるようになる。ココナラのユーザーとハンドメイド作品のマーケットプレイスのユーザーの親和性が高いとココナラ代表取締役の南章行氏は話す。

例えば、これまでココナラでは結婚式のウェルカムボード用のイラストを作成するサービスなどの出品があり、完成した作品を郵送したいというニーズがあった。これまでは商品の郵送には対応していなかったが、「ココナラ ハンドメイド」ではそれができる。「ココナラ ハンドメイド」はココナラとは別サイトで運営するが、ココナラのカテゴリーの1つのように見せ、相互送客していくという。

ココナラの創業当初から、ハンドメイド作品を扱う構想はあったと南氏は話す。ただ、ココナラのミッションは、個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とする人に結びつけるプラットフォームを提供することだ。それを体現するのが無形サービスのマーケットプレイスと考え、ココナラを開始したという。今回、ハンドメイド作品のマーケットプレイスへの需要を感じ、「ココナラ ハンドメイド」を開始するに至った。

ココナラの最終的な目標は「相談のゲートウェイ」になることと南氏は説明する。「何か相談したいことがある場合、人はその先のソリューションを求めていて、それは大きなマーケットです」と言う。例えば人間関係で悩んでいる人は、まずは弁護士に相談し、その先で弁護士に調停の依頼するといったようにだ。悩みがあるとき、これまで多くの人はGoogleを使ってソリューションを検索することが多かっただろう。一方、ココナラでは、悩んだときは誰かに相談してから、ソリューションを決めるという流れを作り出したい考えだ。

人は様々な悩みを抱えている。ココナラは分野に特化してサービスを展開するのではなく、様々な分野を取り揃えることで、どんな悩みでも「悩んだときはココナラ」という立ち位置を確立する戦略だという。

ココナラは2016年8月、「ココナラ法律相談」サービスをローンチしているが、これも相談のゲートウェイの先にあるソリューションとユーザーをつなぐ位置付けにある。ココナラ法律相談では、ユーザーは登録弁護士に無料で法律相談ができる。ココナラは、ユーザーが弁護士に有料の法律サービスを依頼するときに送客手数料を得るモデルを採用している。現在、250名ほどの弁護士が登録しているという。

ココナラの出品数は10万件を超え、流通高は創業以来、毎年約3倍の成長率で伸びていると南氏は説明する。単価は低くても、このような売上が立つのは継続課金率が高いためで、この継続課金率の高さも、多様な分野を取り揃えていることが貢献しているという。ユーザーはずっと同じカテゴリーの出品サービスを購入するのではなく、異なるカテゴリーの出品サービスを購入する傾向にあるそうだ。今回の「ココナラ・ハンドメイド」は、ココナラの間口を広げ、集客エンジンを強化する位置付けと南氏は説明する。

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ハンドメイドのC2Cサイトには、Creemaやminneなどが先行している。他サービスと競合することについて南氏は、ハンドメイド領域は一社総取りではなく、ユーザーは欲しいと思えるモノがある場所を訪れるため、後発でも十分にマーケットを取れるだろうと話す。また、ココナラには、ハンドメイド作品のマーケティングやノウハウの相談やアドバイスをするサービスとして出品しているユーザーもいるそうだ。ココナラではモノとサービスの両方を提供していくことで、ハンドメイド作家を生み、育てられるマーケットになることを目指すと南氏は話している。

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TechCrunch Japan

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