スクーターシェアのBirdが欧州での拡張計画に約160億円を注入、拠点数を倍に

マイクロモビリティシェアリングのスタートアップBird(バード)が、2021年50以上の都市での立ち上げを含め、欧州の拡張計画に1億5000万ドル(約160億円)を投資すると述べた。この動きにより、この地域での拠点数が2倍になるという。

この成長計画はすでに進行中であり、Birdは最近、同社のスクーターをノルウェーのベルゲン、スペインのタラゴナ、イタリアのパレルモに持ち込んだ。

Birdは、欧州での拡大は地理的な拡大以上のものになると強調した。同社は、すでに進出している50近い都市で展開している乗り物にスクーターを追加すると述べた。発表の一環で他にもいくつか約束をした。その中には新しいモビリティ製品の導入計画や安全イニシアチブ「乗り物の次世代のリサイクルとセカンドライフアプリケーション」、エクイティプログラムへの投資「地域全体でのパートナーシップの確保」などが含まれる。

こうした新しいモビリティ製品や、安全性やリサイクルに関するイニシアチブの今後ははっきりしない。Birdの広報担当者は、それらがこの地域での新しい乗り物であり「輸送手段」になるだろうと語った。同社は「パートナーシップを確保する」ということの意味について詳細を明らかにしなかった。このフレーズは、Bird Platformと呼ばれるフランチャイズプログラムの延長や、地方自治体や事業者との他の種類の取り決めを意味しているのかもしれない。2018年11月に最初に導入されたBird Platformの下、同社は独立オペレーターに利用料金の一定割合を渡して、スクーターの管理を任せている。

Birdは、その計画に先週発表した補助金付きライドパスのようなプログラムが含まれると述べた。

同社は、社内人材からRenaud Fages(ルノー・ファッジ)氏をオペレーション責任者に、Brendan O’Driscoll(ブレンダン・オドリスコール)氏を製品のグローバル責任者にそれぞれ昇進させ、取り組みを主導させる。

Birdがこの拡張をどう賄うかは、同社の計画と同じくらい興味深い。広報担当者はTechCrunchに、さまざまなイニシアチブに資金を供給するために「既存のリソース」を使用していると語った。しかし、パンデミック、Circの買収、既存のフリート(乗り物)を維持しながら新しい都市での操業を開始する試みにより資金が枯渇した(2020年6月、BirdはCircが運営していた中東の複数の都市でスクーターシェアリングを停止した)。同社が最後に公にした資金調達の発表は1年以上前だった。同社は2019年9月にシリーズDラウンドで2億7500万ドル(約300億円)を調達した。その後、同ラウンドは3億5000万ドル(約380億円)に拡大されている。

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The Informationは、Birdが新しい資金へのアクセスに近づいたと報じている。The Informationは1月に、既存の投資家であるSequoia CapitalとValor Equity Partnersがリードして、Birdが1億ドル超(約110億円)をコンバーチブルデットで調達する契約を締結しているところだと報じた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Bird投資

画像クレジット:Bird

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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