スコットランドの宇宙港を規制当局と政府が完全承認、年間12回の打ち上げが可能に

The Northern Times(ザ・ノーザン・タイムズ)の記事によると、スコットランドで初めて計画されていた宇宙港が完全に承認され、建設と運用が進められることになった。この施設は、サザーランドの北部、北大西洋に突き出た半島の上に作られる。ここは、英国初の再利用可能軌道ロケットの開発を目指すOrbex(オーベックス)のロケット打ち上げ施設となる。

この承認には、大量の書類を提出する必要だった。それには、地元規制当局とスコットランド政府に向けた完璧な環境アセスメントも含まれている。完全な承認とは、建設が開始でき、今後数年のうちにここからロケットを打ち上げられる道筋が出来たことを示す。

英国内からロケットを打ち上げられるようになれば、この地域で急速に発展しつつある民間宇宙産業の大幅な拡大が見込まれる。Orbexなどの地元サプライヤーによる小型衛星の打ち上げ事業が始まれば、英政府はロケット打ち上げ能力を手に入れるだけではない。先日、米国の打ち上げ企業が英国の施設を使ったロケットの打ち上げを認可する協定(未訳記事)を両国は取り交わしている。つまり、このスコットランドの発射場には、国際ミッションや大規模なグローバルビジネスを確保する可能性があるというわけだ。

The Space Hub Sutherland(ザ・スペース・ハブ・サザーランド)と呼ばれるこの宇宙港は、英宇宙局からの経済支援を受けることになっているが、比較的小さな施設で、打ち上げ台は1基、制御センター、2.5キロほどの道路を含めても、全体の広さは4ヘクタールほどだ。それでも、次世代の小型軌道ロケットには十分なスペースがある。小型ロケットは小型衛星の運用を専門に設計されているため、SpaceX(スペースエックス)のFalcon 9(ファルコン9)などの既存の民間ロケットのための発射場とは異なり、ずっと小さな施設で事足りるのだ。
画像クレジット:HIE
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(翻訳:金井哲夫)