スペースXが新たに60基のStarlink衛星を打ち上げ、1カ月あまりで計300基が地球低軌道へ

SpaceX(スペースX)は米国時間4月7日、地球低軌道に展開するブロードバンドコンステレーション「Starlink(スターリンク)」衛星を新たに打ち上げた。これで3月4日以降に打ち上げられたStarlink衛星は300基となり、5回のフライトで60基ずつという速いペースを維持している。

前回の打ち上げは米国時間3月24日で、その前は3月14日、3月11日、3月4日だった。SpaceXは、2021年中に合計1500基のStarlink衛星を打ち上げることを目標としているため、このペースは意図的に速いものとなっている。この特に忙しかった月の前にも、SpaceXは他に4つのStarlinkミッションを打ち上げており、その中には他の顧客の衛星も運んだSpaceX初のライドシェア専用ミッションも含まれる。

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SpaceXは、これまでに全部で1443基のStarlink衛星を打ち上げている。しかし、これは現在軌道上にある衛星の総数を反映したものではない。初期に打ち上げられた衛星のいくつかは、計画通りに離脱したためだ。現在、FCC(連邦通信委員会)に申請されている周波数スペクトラムに基づくと、最終的に計画されているコンステレーションの規模は、最大で4万2000基の衛星を含むと予想される。

SpaceXは先日、NASAと新たな協定を結び、両組織がそれぞれの宇宙船の接近や衝突を回避する方法を定義した。NASAはこの種の事故を回避するための方策を制定し、すべてのロケット打ち上げ会社に遵守を求めているが、SpaceXによるStarlinkミッションの規模と頻度から、より広範な追加協定が必要になった。

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今回の打ち上げでは、使用したFalcon 9(ファルコン・ナイン)ロケットの、これで7回目となるブースターの着陸も行われた。大西洋に浮かぶSpaceXの着地パッドに予定通り着陸したブースターは、今後の再利用のために改修が行われる予定だ。また、SpaceXは、離陸時に衛星を保護する分割式の貨物カバーであるフェアリングを、海上で回収することも検討している。同社はこれまでパラシュートで減速して落下するこのカバーを空中で回収するために使用していた2隻の船を退役させたばかりだが、現在は着水後に海から回収して再利用することを目指している。

画像クレジット:SpaceX

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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