スペースXがStarlink衛星を新たに60機打ち上げ

SpaceX(スペースX)は現在のFalcon 9によるStarlinkミッションにおいて標準サイズとなる60機の衛星を打ち上げた。実験的なものや軌道から離脱したものまでを考慮に入れると、これにより軌道上で約1000機の衛星が活動していることになる。この動きは同社が現在、または将来計画されているカバーエリア内なら誰でも、Starlinkへの注文を開始したことに続くものだ。

Starlinkは、小型の低軌道衛星を利用したグローバルな衛星ベースのインターネットサービスだ。歴史的にブロードバンド衛星は、地球から遠く離れた固定軌道上に存在する大型かつ高価な衛星であり、単一のカバーエリアにサービスを提供してきた。地球からの距離と基地局への接続方法のためにレイテンシーが非常に高く、接続も安定しなかった(機内Wi-Fiを利用したことがある人ならわかるだろう)。SpaceXのコンステレーションでは、衛星を地球の近くに配置することでレイテンシーを改善し、衛星が地球を周回してお互いに接続を引き継ぐので、コンステレーションのサイズが大きくなるにつれて理論的にはより安定した接続が提供できる。

最終的にSpaceXは、地上インフラの問題でネット接続環境が脆弱な地域にサービスを提供することに重点を置き、Starllinkでグローバルなカバーエリアを提供することを目指している。最近になって、SpaceXはクローズドベータをオープンベータに拡大しており、顧客は住所を確認した後でStarlinkのウェブサイトからサインアップし、デポジットを全額支払うことでハードウェアキットを注文できる。

Starlinkのハードウェアキットには、顧客がサービス地域にて設置できる小型の衛星受信アンテナが含まれている。サービス自体の料金は月額99ドル(約1万500円)で、機器の価格は499ドル(約5万2900円、初回1回限り)だ。SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは最近Twitterで、初期投資の大部分が回収されればコストは時間の経過とともに下がっていく計画だと述べている。マスク氏はStarlinkをスピンオフして最終的にはIPOを行う計画だとし、「キャッシュフローを合理的に予測することができます」とも述べている。

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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarlink

画像クレジット:Starlink

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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