スマホ周辺機器でおなじみのAnkerが家電に参入、新ブランド「eufy」を発表

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Ankerは本日、記者発表会を開催し、新家電ブランド「eufy(ユーフィー)」をお披露目した。先日、本家TechCrunchでも取り上げた内容ではあるが、この記事ではもう少し踏み込んだ製品情報やAnkerの今後の戦略についてお伝えしたい。

ご存知の読者も多いかと思うが、まずは改めてAnkerを紹介したいと思う。2009年、Googeでサーチエンジニアを務めていたファウンダーがAnkerを創業した。Ankerは、主に充電バッテリーやケーブルといったスマホの周辺機器を扱うブランドで、その目標はメーカー純正品とノンブランドの隔たり埋めることだ。メーカー純正品の保証は手厚いが高額で、一方のノンブランド製品は安価だが品質にばらつきがある。Ankerは、その溝を埋められる高品質で安価な製品を提供することを目指す。

Ankerの特徴はインターネット経由でカスタマーにプロダクトを販売している点だ。仲介業者や小売店を挟まないことで、流通コストを削減した。そのために低価格でプロダクトを提供し、スケールメリットを享受することでAnkerは急成長できたとアンカー・ジャパンの代表取締役井戸義経氏は話す。

Ankerの本社は長沙にあり、現在世界40カ国でプロダクトを展開している。2015年には売上高が3億ドルを達成し、2016年は5億ドルの売上を見込んでいるという。

スマホ周辺機器から家電に参入

Ankerは、これまでモバイルバッテリーやケーブルなど、自宅やオフィス外での活動をサポートするブランドだ。一方、今回立ち上げる新ブランドeufyは「家庭での快適な暮らしを創造する」ことを目的としたブランドと井戸氏は言う。Anker同様、eufyでも低価格で高品質なプロダクトを提供していくという。

ここから「eufy」ブランドの第一弾新商品である、ロボット掃除機、LEDデスクライト、そして超音波加湿器をそれぞれ紹介したい。

自動掃除機ロボット

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Eufy RoboVac 20 
超音波センサーや落下感知センサーなどのスマートセンサーを搭載する自動掃除機ロボット。部屋に合わせて7つの掃除モードから選択できる。スケジュール設定で留守の時も自動で掃除をすることが可能だ。6700mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載していることで、100平米の部屋でも一回の充電で掃除を完了できる。価格は29800円で10月5日発売予定だ。

LEDデスクライト

Anker Eufy Lumos E1

左からEufy Lumos E1、Eufy Lumos A4

Eufy Lumos E1とEufy Lumos A4
エネルギー効率の高いライトを搭載し、5万時間の寿命を実現した。カラーを5段階、照度を6段階で変更できる。上位モデルのE1には、本体の背面にUSB充電ポートが2つあるので、照明を使いながらもスマホやタブレットなどを充電することが可能だ。机の上の煩雑になりがちな充電ケーブル類を多少すっきりさせることができるだろう。価格は5980円で11月中旬発売予定。

Eufy Lumos A4も5万時間の寿命を実現したLEDライト搭載。4色カラーモード、5段階での照度変更が可能。価格は3480円で10月5日発売予定。

超音波加湿器

Anker Eufy Humos Air

Eufy Humos Air
コンピューターより静かな38dBの動作音を実現した超音波加湿器。最大26時間連続使用が可能。3段階のミストレベルが選択可能で、アロマオイルを入れるソケットもあり、オイルディフューザーとしても使用できる。価格は4980円で11月上旬発売予定。

この他に、Ankerブランドで販売していたスティック型掃除機をeufyブランドに統合する。

eufy alexa

スマートホーム実現に向けて

Ankerは、単に既存の製品を置き換えるプロダクトを手がける会社に留まるつもりではないと会見の最後に井戸氏は話した。Ankerは将来的に、各家電製品をインターネットでつなげてコントロールできるようにするスマートホームの実現を視野に入れていると話す。具体的にはまず、2017年にプロダクトをAmazonの音声アシスタント「Alexa」に対応させていく計画だという。

ただ、これはグローバルでの戦略なのだろう。日本ではまだAlexaを使用できるAmazon Echoといった端末は入手できないし、コンシューマーが音声でスマート家電をコントロールするというコンセプトが馴染むまで、まだ時間がかかるかもしれない。また、Alexa以外にもAppleのHomeKitなど、他にもスマートホーム領域を狙う競合がある。Ankerはこれに対し、Alexaに限らず、他のスマートホームのプラットフォームにも対応することも検討していると話していた。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。