スマートフォンを使った超ズーム撮像技法によるDNAリモート測定方法が開発された

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カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者たちが、スマートフォンの超接近撮像技法によるDNAの画像化と測定の方法を作り出した。このツールは3Dプリントで作った小さなボックスが高倍率の顕微鏡となり、幅2ナノメートルほどの小さな物でも見ることができる。

“たとえて言えば、DNAはの大きさは人間の髪の毛の1/50000の細さだ。現在、DNA分子の画像化には、巨大で高価な光学顕微鏡が必要で、よほど高度な研究施設でなければ導入できなかった。それに比べると、私が作ったデバイスの部品は相当安い”、と、このプロジェクトに関わったUCLAのAydogan Ozcan教授は言っている。

発表文から引用しよう:

このデバイスは、各種の癌と、アルツハイマー病のような神経系の疾患の遠隔診断、および、感染症における耐薬性の検出に利用されることを意図している。このカメラを使うためには、最初に目的のDNAを蛍光性タグで隔離しラベル付けすることが必要である。Ozcanによれば、このような検査手続きはリソースの限られた遠隔地でも可能である。

DNAをスキャンするために当グループはコンピュータのためのインタフェイスと、その同じスマートフォン上で動くWindows用スマートアプリケーションを開発した。スキャンして得た情報はOzcanの研究室にあるサーバに送られ、DNA分子の長さが計測される。接続の状態が良ければ、すべてのデータの処理に要する時間は10秒弱である。

今の方法では必要な機材やコンピュータがかさばりすぎて移動性がないから、これは現場の研究者にとって神様からの贈り物のようだ。チームは今このツールを使って、マラリア関連の耐薬性の検出を行っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa