スミソニアン博物館、Kickstarterへの偉大な一歩は大成功

screen-shot-2015-07-27-at-1-52-31-pm

1969年のあの熱い7月、何千万人ものアメリカ人が小さな白黒テレビの前に集まり、ニール・アームストロングがアポロ11号から未踏の月面にその左足を踏みだすところを見入った。アームストロング船長は最初に月面を歩いた人類として歴史に名を残すこととなった。

アームストロングの宇宙服も今やずいぶん古くなり大幅な修復が必要だ。そこでスミソニアン博物館は、2019年の月面着陸50周年に合わせて宇宙服を維持保存すべく、Kickstarterキャンペーンを立ち上げた。

通常スミソニアンの財源は政府予算で賄われるが、このような保存プロジェクトは対象外だ。それがスミソニアンの資金の約30%を占める個人的な寄付が重要である理由だ。これはスミソニアンにとって、クラウドファンディングプラットフォームを使う初めての試みだ。

“Reboot the Suit”と名付けられたそのKickstarterプロジェクトは功を奏し、5日間で目標を達成した。著名な慈善団体が千ドル単位の個人的寄付を募る中、このプロジェクトでは殆どの支援者が100ドル以下を寄付している。

Screen Shot 2015-07-27 at 3.48.24 PM

引き続きキャンペーンは目標を70万ドルへと高めて継続し、アラン・シェパード飛行士が着た宇宙服の修復する資金の調達を目指す。これはシェパードが「宇宙で初めてのアメリカ人」として着用した宇宙服で、2020年に開館予定のDestination Moonギャラリーにあわせて所蔵される。

政府機関が私的プラットフォームでクラウドファンディングを行うことは非常に興味深い ― これはスミソニアン初であるだけでなく、Kickstarterにとっても初めての出来ごとだ。「このような形で博物館と協力したのは初めてだ」とKickstarter CEO Yance Stricklerが声明の中で言った。

同プラットフォームは、政府機関、博物館、その他の慈善プロジェクトを、他の方法では推進に必要な資金を得られない大規模な歴史的プロジェクトに、支援のために少額を寄付できる世界中の人々と結びつける機会を与える。

今回の大成功を見てスミソニアンは、このクラウドファンディングプラットフォームを「来年を通して」さらに利用する計画だと語った。それらの資金調達では、工芸品、展示、その他いちばん支援したいものを市民が決められるプロジェクトに焦点を当てると同博物館は言っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。