セントルイス大学、新学期から学生寮にEcho Dotを大量設置へ

SLU(セントルイス大学)では学生全員が否応なくAmazonのスマートスピーカーに囲まれて過ごすことになる。大学は今週、学生の生活区域全域に2300台のEcho Dotを設置する計画を発表した。今月末、新学期のスタートに合わせて運用が開始されるという。

SLUは「われわれは学生寮のホール、居室のすべてにAlexa for Business上でAmazon Alexaを作動させるデバイスを設置するアメリカ最初の大学となる」と誇らしげに述べている。もちろんEcho Dotを採用する最初の大学ではないだろうが、こうした大きなスケールでスマートスピーカーを配置する大学としては最初の例の一つになるのだろう。

なるほどスマートスピーカーはアメリカの多くの家庭でなくてはならぬシステムとして使われているものの、大学の寮や生活区域に大規模に配置するというのはいささか奇妙な選択に思える。SLUではAlexa for Businessで100以上のカスタムQ&Aを作成したという。たとえば、「今晩図書館が閉まるのは何時?」とか「学生課の場所はどこ?」というような質問だ。

もちろん学生の生活区域にクラウドに接続され音声を常に録音しているスマートスピーカーを大量に設置するのはプライバシー上の懸念を生む。SLUでは次のように述べてこの懸念を打ち消そうとしている。

設置されるEcho DotはSLU専用のAmazon Alexa for Business(A4B)プラットフォームに接続される。このシステムは学生個人のAmazonアカウントとは一切連動しない。また個々の学生に関するプロフィール、履歴を保存することもない。ユーザーはすべて匿名での利用となる。さらにAlexaもAlexa for Businessシステムも質問を記録することはない。

また大学は学生はEcho Dotのマイクをミュートすることもできると述べている。学生はシステムからオプトアウトはできないが、デバイスの電源を抜いてデスクの引き出しに放り込んでおくことはできる。年度末に大学に返還すればよい。弁償しなければならないのでホッケーパックの代わりに使うのは勧められない。

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滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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