ソフトバンク・ビジョンファンドがインドのメガネ小売Lenskartに300億円投資

オムニチャネルでメガネなどを販売するインドのLenskartは12月20日、事業拡大に向けソフトバンクのビジョンファンドから新ラウンドで2億7500万ドル(約300億円)を調達したことを明らかにした。

資金調達シリーズGラウンドの一環として、設立9年のLenskartの既存投資家の一部が株式を売却するとLenskartの創業者でCEOのPeyush Bansal(ピューイッシュ・バンサル)氏はTechCrunchに対し語った。ただ、その投資家の名前は明らかにしなかった。

ビジョンファンドの投資で、Lenskartの資金調達額は累計4億5600万ドル(約500億円)となる。今回の投資に詳しい人物はTechCrunchに対し、新ラウンドでLenskartのバリュエーションは15億ドル(約1600億円)超となると話した。

メガネやコンタクトレンズ、アイケア製品販売のeコマースサービスとして始まったLenskartだが、近年は実在店舗にも手を広げている。現在、インド国内100カ所余りの都市で500店を超える店舗を展開しているとのことだ。ただ、同社の全売上高の60%超をオンライン販売が占める。

「新たな資金は、テクノロジーインフラとサプライチェーンの改善にあてる」とバンサル氏は話した。「今後の展開でソフトバンク・ビジョンファンドの支援を得られることを嬉しく思う。Lenskartの次のエディションを構築する上で、コンシューマーとテクノロジーに対するビジョンファンドの理解は役立つ」と話した。

業界の予測によると、インドでは視力が悪くメガネを必要とする人が5億人超いるが、実際に視力を矯正しているのは1億7000万人のみだ。

Lenskartはインド国内にかなりの成長ポテンシャルを見出しており、訓練を受けた検眼医があまりいない小さな町や村では特に期待できる。

Lenskartは顧客となりそうなすべての人に無料の検眼テストを提供している。またユーザーがいくつかのメガネを自宅で試し、それから購入を決められるようにもしている。そして同社のウェブサイトでは、3D AIを使ってユーザーがいくつかのメガネをかけてどんなふうに見えるのかを試せるようになっている。

調査会社Euromonitor Internationalによると、インドのメガネ市場は46億ドル(約5000億円)だが、そのほとんどは手付かずだ。

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Image

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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