ソラコムがIoTプラットフォーム「SORACOM」をWi-Fiや有線からも利用可能にする「SORACOM Arc」提供開始

ソラコムがIoTプラットフォーム「SORACOM」をWi-Fiや有線からも利用可能にする「SORACOM Arc」を提供開始

IoTデバイスをクラウドで一元管理できるプラットフォーム「SORACOM」を展開するソラコムは6月23日、従来同社提供のデータ通信サービスに限定していた同プラットフォームへの通信方法について、Wi-Fi、有線通信、衛星通信など「あらゆるIPネットワーク」から利用できるようにする「SORACOM Arc」(ソラコムアーク)サービスの提供開始を発表した。

多額の設備投資を必要とせず、ソラコムが提供するクラウド型のプラットフォームを使ってIoTデバイスの管理運用が行える「SORACOM」は、ソラコムの接続サービス「SORACOM Air」(ソラコムエアー)による、専用の「SORACOM IoT SIM」を使ったセルラー通信が基本になっている。SORACOM Arcは、各IoTデバイスに仮想SIMを発行し、これを使って認証を行うことで、デバイスとSORACOMとの間に通信経路を確立するというもの。すでにソラコムのSORACOM IoT SIMを利用している場合は、そのSIMに紐付けることで認証を行い、動的に仮想SIMを発行できる。

同時に提供されるエージェントプログラム「soratun」(ソラタン)をデバイスに組み込むことで、暗号化技術WireGuard(ワイヤーガード。オープンソースのVPN実装)を使った仮想ネットワークインターフェイスが構築され、SORACOM Arcが利用可能になる。あとはSORACOM IoT SIMを用いた場合とまったく同じ環境で使えるようになる。

セルラー対応とWi-Fi対応のIoT機器が混在している環境で運用を統合したい場合、コスト削減のため可能な限りWi-Fi回線を使いたい場合、SORACOM IoT SIMを購入する前にSORACOMプラットフォームを使ってみたい場合など、様々な利用が考えられる。

ソラコムが想定した配送用ロボットのユースケースでは、屋外ロボットはセルラー通信、屋内ロボットはWi-Fiと使い分けつつ運用は一元化するというものや、1台のロボットで、移動中はセルラー通信でクラウドに位置情報のみを送信し、配送拠点に滞在している間はWi-Fiネットワークに大量のログデータを送るといったものがある。どちらのネットワークを通じて送られたデータも、SORACOMプラットフォーム上では単一IDに紐づけて扱われることから、デバイス認証、クラウド接続、API管理の一元化が行えるとしている。

利用料金は、初期費用:税込55円(仮想SIM作成手数料)で、基本料金:仮想SIMあたり月額税込55円(1GBの通信料含む)。SORACOM IoT SIMを使わず仮想SIMを単独で作る場合は1仮想SIMあたり月額税込88円(1GBの通信料含む)。そのほか、データ通信料金として、仮想SIMあたり税込22円/GBが発生する(上り/下りの合計。データ通信量は1GB単位に切り上げて課金。試用のための無料利用枠あり)。

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)セルラー通信ソラコム(企業・サービス)WireGuard(製品・サービス)日本(国・地域)

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TechCrunch Japan

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