ソーシャルメディア活用に積極的なホワイトハウス、いよいよSnapchatアカウントも開設

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今年の一般教書演説は、新たにAmazonにてオンデマンド配信されるようにもなった。さらにホワイトハウスは、どうやら若年層へのアクセスチャネルを増やそうとしているようで、ついにSnapchatデビューも果たした。ホワイトハウスのプロダクトマネージメント部門のディレクターであるJosh MillerはSnapchatのユーザー層に言及している。いわく1億のデイリーアクティブ数や、13歳から34歳が60%以上を占めていることなどに魅力を感じて、Snapchatアカウントの開設にいたったのだとのこと。

アカウントを通じて、テレビやYouTubeなど他のメディアにはないカメラアングルなどを利用した一般教書演説のシーンを流したり、その他の話題についても独自の情報を配信して行く予定であるのだそうだ。

すでに大統領執務室を映したビデオなど、いくつかのコンテンツが見られるようになっている。アカウント名はThe White Houseだ。

IMG_2319ホワイトハウスは、これまでにもFacebook、Twitterアカウント(@POTUSなど)などにアカウントを開設しているし、またTumblrでGIFを公開したり、あるいはVineにもビデオを投稿しているし、Instagramも活用している。

また、般教書演説の内容をMediumで公開したり、一般教書演説の内容についてYouTubeスターからの質問を受けたりもしている。この試みは今年も行われているようだ。

新しいメディアにも次々にチャレンジしているホワイトハウスが、Snapchatのアカウントを作ったのは膨大な利用者層に着目したこともあるだろう。新聞や雑誌、ないしはラジオやテレビなどをあまり利用しない、モバイル世代へのアクセスチャネルとして有効だと考えているに違いない。

Snapchatの主要利用者層は、選挙権を持っていない層ではあるかもしれない。しかしそうした層にわかりやすくアクセスすることで、民主党よりの政治意識を持ってもらうことに役立つということも考えているはずだ。

Pew Researchの調査によれば、SnapchatはティーンにとってFacebookおよびInstagramに継ぐ位置を占めるソーシャルネットワークであるのだとのこと。13歳から17歳の41%が利用しているのだそうだ。大学生などのヤングアダルト層にも広まっていて、ある調査によれば、大学生の5人に4人が利用しているとされている。

Snapchatはその登場当初、「自動消滅型」のスタイルに注目が集まっていたが、さまざまな機能を追加して、より一般的な「ソーシャルメディア」としてのポジションを獲得することに成功している。Justin.tvやTwitch.tvの共同ファウンダーであるJustin Khanは、フォロワー数や閲覧数を競ったりするのとは異なる方向性をもつことがSnapchatの魅力であると説明している

たとえばSnapchatに実装された「ストーリー」は利用者にとって大きな魅力となっている。メディア上に流れる情報を、モバイルフレンドリーな形で提供する「ストーリー」は、多くの人を集める要因のひとつとなっているのだ。写真やビデオを「ライブ」で提供する機能も多くの視聴者を集めることに成功していると、Business Insiderの記事では分析している。ヒラリー・クリントンも、大統領選のキャンペーンの一環としてSnapchatの利用を試みたことがある。

ホワイトハウスは「Meeting People Where They Are」という方針の一環としてSnapchatアカウントの開設に至ったわけだ。この方針に従ってソーシャルメディアの活用を進めているのだとMillerは言っている

「情報取得や共有のためにSnapchatを使う人が増える中、ホワイトハウスとしても利用者の方々と広く、かつクリエイティブな形で交流するためにSnapchatアカウントを開設することにしたのです」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

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TechCrunch Japan

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