タイの株式分析アプリ、StockRadarsがアジア各国に進出。アプリ内取引も可能に

stockradars

米国のスタートアップ、Robinhoodは、ITを活用して株式市場その他の投資機会を広く普及させようとしている数あるフィンテック企業の一つだ。同社のサービスは最先端を行くもので、最近アプリ内での即時取り引きを可能にしたが、金融の障壁は欧米市場だけに立ちはだかるものではない。

StockRadarsは、タイ拠点のモバイルベースで株式の分析と洞察を提供するサービスだが、つい最近Robinhoodを追ってアプリ内でのリアルタイム株取引を可能にした。このライブ取引機能は現時点ではタイ国内に限定されているが、同社は分析サービスを新たに8ヵ国に拡大 ― 中国、台湾、香港、韓国、日本、ニュージーランド、インド、シンガポール ― しており、これらの地域にもリアルタイム取引を提供することを視野に入れている。

この地域拡大を促進するために、StockRadarsを支援するSiam Squaredが新たな資金提供を行ったことが今日のプレスイベントで発表された。ラウンドの内容は非公開だが、TechCrunchが本件に近い筋から聞いたところによると、金額は70万ドルらしい。StockRadarsは昨年80万ドルを調達しており、この最新ラウンドは今年後半の大型ラウンドへのつなぎと見られる。

今回のラウンドをリードしたのは、既に投資している日本のCyber Agent Venturesで、バンコクの著名な株売買人を含む何人かのエンジェル投資家も参加した。これは、SiamSquaredのファウンダー、Teerachart ‘Max’ KortrakulがTechCrunchによると、市場からの重要なお墨付きであり、タイおよびアジアで株式投資の「民主化」を推進する同社にとって戦略上の意義は大きい。

「われわれの技術とアプリは、株価実績を分析することによって常に人々の成功を手助けしてきたが、これからは投資の完全なソリューション提供していく」と彼は付け加えた。

StockRadarアプリは、iOSAndroid、それぞれが提供されており、ユーザーは公開株の追跡と分析ができる。ユーザーは ‘radars’ を有償で購入することが可能で、これは最も業績の良い株と投資機会を見つけるための、情報および分析のレイヤーだ。

東南アジアのフィンテック分野は急速に発展する可能性を秘めており、シンガポールが金融とスタートアップ投資の中心地として市場を引っぱっている。中でも最大級のTrade Heroは、既に1000万ドルを調達しており、株式投資以外の分野では、ソーシャル支払いのFatacashが昨年1500万ドルのシリーズAラウンドを完了、支払い支援サービスの2C2POmiseが、いずれも数百万ドルの資金を投資家から集めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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