タクシーよりUberのドライバーの方が勤務時間が少なく、報酬単価は高い(Uber調べ)

今日(米国時間1/22)、Uberが発表した調査レポートによれば、ドライバーがUberのパートナーとなる理由は主として勤務時間を自由に選べる柔軟性によるものだという。またUberのドライバーの受ける報酬は他の職業ドライバーの平均よりも高い。

この調査はUberがBenenson Strategy GroupエコノミストのAlan Kruegerの協力を求めて実施したもので、アメリカにおけるUberドライバーの属性と勤務実態について多くの詳細なデータが明らかにされている。

Uberの新任のポリシー及び戦略担当上級副社長David Plouffeは、われわれの電話インタビューに答えて、「Uberはアメリカのほとんどの大都市で重要な交通機関となっている。そこでわれわれはパートナーであるドライバーの属性、勤務実態について詳細を知ることが必要だと考えた」と述べた。

Uberがアメリカにおけるトップクラスの雇用主となるに連れ、その雇用実態には強い関心が向けられるようになっていた。

現在、Uberは16万人のアクティブな(月に4回以上運転する)ドライバーを擁しており、その数はさらに増加中だ。

新規ドライバーについては、2013年1月の新規契約ドライバーは1000人以下だったが、1年後の2014年1月には6000人となり、2014年6月に1万9000人、11月には3万2000人と急増している。2014年12月にはクリスマスと新年の休暇を控えて需要が急増し、アメリカにおける新規ドライバーの数は4万人に達した。

また新規ドライバーの定着率も高い。新規契約後1ヶ月で89%のドライバーがアクティブだった。半年後のアクティブ率は70%、1年後も半数以上のドライバーがアクティブだった。

またタクシー・ドライバーとは異なりUberのパートナー・ドライバーの大部分はパートタイムだ。トップ20地域の調査では、80%のドライバーの勤務時間が35時間以下だった。また半数のドライバーは週に1時間から15時間の勤務だった。これに対して80%のタクシー・ドライバーは週に35時間以上勤務している(アメリカ国勢調査のデータ

Uberのドライバーは勤務時間は短いが、報酬単価は高い。トップ20地域の統計では、Uberのドライバーは時間あたり19ドルの報酬を受けているのに対して、タクシー・ドライバーの賃金は時間あたり12.90ドルだ(労働省統計)。

レポートはUberのドライバーが受け取るのは賃金ではなく、自営業者に対する報酬であり、そこから燃料費、保険、減価償却費などが差し引かれることを指摘している。それでも、「税引き後報酬にかかるコストが毎時6ドル以下であれば、Uberのドライバーの方がタクシー・ドライバーより多く稼ぐことになる」とレポートは指摘している。

一方、Benenson Strategy Group(BSG)は、600人のドライバーから主観的な意見を集めた。それによるとドライバーがUberのパートナーになった理由で一番大きなものは、自分のスケジュールで働ける柔軟な勤務形態だと判明した。

Uberドライバーのうち過去に職業ドライバーとして勤務した経験があるのは49%で、51%はドライバーとして働いた経験がなかった。

契約ドライバーのうちフルタイムでUberを運転しているのは38%にとどまった。31%は別にフルタイムの仕事があり、余暇にUberを運転していると答えた。 30%はパートタイムでUberを運転する他に、別のパートタイムの勤務をしていると答えた。

「Uberの仕事としての魅力は、いつ、何時間勤務するかを完全に自分でコントロールできるところにある。われわれほどの規模でこのような柔軟な勤務形態を提供できている雇用主はないだろう」とPlouffeは言う。

Uberドラバーの19%は30歳以下だと判明した。タクシーの場合、30歳以下は9%で、44%が50歳以上だった。Uberの場合、50歳以上は24.5だ。

またUberのドライバーの半数近くが大学卒で、タクシー、ハイヤーのドライバーの18%よりずっと高い率だ。

Uberの女性ドライバーは14%弱だが、それでもタクシーの8%に比べると女性率が有意に高い。

Plouffeは「Uberのドライバーはアメリカ社会の断面をそのまま映している。この多様性は社会全体がUberに対して可能性を見出していることを示すものだ」と述べた。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。