ツイッターがグローバルで展開予定の有料「プレミアム」サービスを予告

あなたはアップグレードされたTwitterにお金を払うだろうか?これは、Twitterが有料利用者限定の拡張機能を提供する新しいサブスクリプションサービスを公開するときに答えが明らかになる質問だ。Twitterが以前に発表した、個々のクリエイターの独占コンテンツにアクセスできる「スーパーフォロー」のサブスクリプションプランとは別のもので、新しいサブスクリプションは頻繁にツイートするなど熱心に利用しているパワーユーザーにTwitterをもっと活用するために支払いをしたいと思わせるようなサービスだ。

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Twitterは今後登場するサブスクリプションプランについてすでにざっくりとほのめかしている。2021年2月にはBloombergに対し、2021年以降に広告以外の売上を多角化する手段を「研究し実験する」だろうと述べている。広告はTwitterの売上の85%を占めているが、ユーザー数はしばしば微増、あるいは横ばいになっている。このため同社は既存のユーザーから稼ぐ新しい手段を検討することになった。同社はBloombergに対し、この計画には企業やユーザーが「独自の機能」を利用できるようになる「サブスクリプション」などのアプローチが「含まれる可能性」があると語った。

2021年2月に開催されたTwitterアナリストデイでも、同社は「サブスクリプションの実験」をする予定だと語り、サブスクリプション製品への関心を再び示した。同社のIRアカウントは2021年3月に「サブスクリプション製品を公開してテスト」するだろうとツイートした

しかし今のところ、Twitterが詳しく説明しているサブスクリプション製品はアナリストデイで発表されたスーパーフォローだけだ。その他のサブスクリプションのテストがどのようなものになるかは具体的に説明されていないし「2021年中に」テストを開始するという以外はいつサブスクリプションが公開されるかも一切明らかにしていない。

Twitterのこの取り組みに関して公式の情報は得られていない。

一方、アプリ研究者のJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏は2021年5月中旬に、Twitterのプレミアムサブスクリプションの存在に加えてその名前と価格もスクープした。同氏が発見したところによると、今後登場するサブスクリプションプランは現在「Twitter Blue(ツイッターブルー)」と呼ばれていて、費用は月額2.99ドル(約320円)、ブックマークコレクションや、TwitterがCNETに対してテストしていることを以前に認めていたツイートの取り消しなどの新機能を利用できるという。

ただし、テックニュースサイトのThe VergeがTwitterブルーについて問い合わせたが、Twitterはコメントを拒否した。

米国時間5月25日、JPモルガンのグローバルテクノロジー / メディア / コミュニケーションカンファレンスで、Twitterはもう少し詳しい話をした。

以前のように「人々やあらゆる規模の企業が独自の機能を利用できる」(よくある商売用語!)ような「実験」やテストについて漠然とほのめかすのではなく、TwitterのNed Segal(ネッド・ シーガル)CEOは投資家に対し、同社の新しい「プレミアムサービス」はTwitterのサービスを利用している人々を対象としたもので「人々はこのサービスにお金を払う」と述べた。

シーガル氏は、このプレミアムサービスはTwitterが取り組んでいる2種類のサブスクリプションの1つで、もう1つはスーパーフォローだと語った。

プレミアムサービスは、以前にTwitterが検討していたプランより「実験」的ではない模様だ。以前の話では、Twitterのプレミアムサブスクリプションに需要があるかどうかを研究する何らかのプロジェクトを始めたように見えた。同社の過去の説明では、どの程度真剣な取り組みなのかがわからなかった。

シーガル氏は、今後数カ月のうちにTwitterのプレミアムサービスについて詳細を話すとし、同社はさらに詳しい調査のためにサービスをテストするが、その後「最終的に世界中のユーザーにこの機能を公開する」と述べた。

これは「実験」ではない。ロードマップだ。

心配している人のためにお伝えすると、同社の中核である無料の製品に代わるもののではないとシーガル氏は明らかにした。プレミアム機能は「誰もがずっと使い続けられるサービスの無料版を中心として改良を続けるという(Twitterの)考え方の上で」提供される。

Twitterはこの新しいサービスをそれほど調整する必要はないだろう。2020年のアンケートなど、ユーザーはどんな機能に最も興味を示すかに関する事前の研究をすでに十分実施しているからだ。当然のことながら、ツイートを取り消すオプションは「編集」ボタンの登場と並んでユーザーが最も望んでいる機能だった。

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これまでに仮説やリーク、曖昧な確認はあったものの、Twitterは我々が知らないことを何も語ってこなかった。今後登場する製品が世界中のユーザーにとってどんなものになるかがある程度明確にされたのは良いことだ。

シーガル氏は「我々は自社の利益のために、そしてサービスを使う人々の利益のためにも、長く続くビジネスをしていきたいと思っています」と述べた。

残る問題は、Twitterユーザーが本当にサブスクリプションにお金を払うかどうかということだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterサブスクリプションSNS

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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