テクノロジ教育の最大手PluralsightのシリーズBはついに$135Mの大台に、今や企業(社員教育)や大学も同社のコースを利用

テクノロジ部門の教育訓練サービスをネット上で展開しているPluralsightが、新たに1億3500万ドルという巨額を調達して、オンライン情報技術教育におけるトップの座をより確実にしようとしている。

PluralsightのCEO Aaron Skonnardは、“専門教育/職業教育を民主化するというわが社のビジョンの正しさを信じている”、と述べるが、同社の投資者たちもどうやら、この信念を共有しているようだ。

この大きなシリーズBを率いたのはInsight Venture Partnersで、これにシリコンバレーのICONIQ CapitalとSorenson Capitalが参加した。Skonnardによると、この投資によって同社の評価額は10億ドル近くになった。

“調達前の評価額は8億ドル近くだった”、と”Skonnardは言う。“その後1億3500万ドルを調達したから10億ドルに接近した”。同社は、2013年1月のラウンドで同じくInsight Venture Partnersから2750万ドルを調達している。

これによって同社は同じく資金状態の良いテク企業集団の仲間入りをし、彼らが競合相手になった、とSkonnardは見ている。たとえばlynda.comSkillsoftなどの教育訓練企業は、やはり巨額なキャッシュを体内に輸液されて、個人や企業向けの教育サービスに邁進している。Skonnardはこう言う: “このラウンドの目標の一つは、シリコンバレーの企業を顧客として取り込むことだ。バレーの中枢部に食らいついていたいのだ”。

この投資はユタ州出身の企業の獲得金額としては最大で、今後の買収や新コンテンツの開発、機能性の改良、そして目下同社で増加中の企業顧客をさらに獲得していくための、新しい機能の整備に使われるだろう。

Pluralsightが2004年に創業したときには、プロのプログラマが主な対象で、彼らのスキルの向上と、最新技術の習得を助けることが目的だった。しかしやがてプログラマたちはカリキュラムを自分の会社に持ち込み、社費による社員教育の充実を求めるようになった。その後同社は7000万ドルを投じてPeepCode、Tekpub、TrainSignal、Digital-Tutorsなどのプログラマ教育サービスを買収し、企業ユーザの社員教育訓練ニーズに応えていった。

ユタ州Farmingtonに本社のある同社は今、3000あまりのオンラインコースを提供し、顧客は150か国以上に広がっている。でもSkonnardから見て今後いちばん有望なのは、職業的専門的な教育訓練に対する企業の考え方を変えていくことだ。

ユーザは月額29ドルを払って同社の3000あまりのコースのライブラリにアクセスできる。しかし企業向けには、社員一人あたり年額300ドルの年間ライセンスモードがある。Skonnardは、“そうやって社員に弊社のコース終了(合格)認定書を与えることが、企業の社員教育のデファクトのスタンダードになってほしい。今後Pluralsightは、企業世界における社員の技術やスキルの、資格取得証明のスタンダードになっていく、と思っている”、と言うのだ。

今では企業のほかに、大学や学部がカリキュラムの一部としてPluralsightを取り入れつつある。

Insight Venture Partnersは教育分野のテクノロジ企業に数多く投資しているから、今回のPluralsightへの再度の投資も、いわば当たり前の部類だ。InsightのRyan Hinkleはこう言っている: “投資が先か、魅力的な顧客ベースがあることが先か、という「鶏か卵か」の問題が同社にはない。しかも2012年にうちが初めて投資したときすでに同社は、大きなコンテンツカタログと、相当初期から大企業が含まれていた顧客リストを抱えていた”。…というわけで、投資家にとっても、Pluralsightは安心して投資できる企業の一つだったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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