テスラが「意図しない加速」の訴えは「まったくの虚偽」と主張

米国時間1月20日、Tesla(テスラ)は同社の車両が突然ひとりでに加速するという規制当局への申し立ては「まったくの虚偽」だと主張した。

さらにテスラは、申し立ての有効性にも疑問を呈し、提出したのはテスラ株のショートセラーだと指摘した。

先週、国家道路交通安全局(NHTSA)は、テスラの電動自動車による意図しない加速に関する127件の消費者クレームを取り上げた欠陥申し立てを審理すると語った。本件は110件の事故と52名の負傷に関与あるいはその原因となったと疑われている

CNBCが最初に報じたその申し立ては、個人投資家で現在、テスラ株のショート(空売り)を行っているBrian Sparks(ブライアン・スパークス)氏が提出した。スパークス氏は、かつてはテスラ株のロング(安値買い)ポジションをとっていた、とCNBCは伝えている。

当時、テスラはコメント要求に答えなかったが、現在はブログに、顧客からの意図しない加速に関する苦情をNHTSAと定期的に検討していることを掲載している。

「当局と検討したいずれのケースにおいても、車両が正しく機能していたことをデータが示していた」とテスラは同社ウェブサイト上のブログ記事に書いた。

同社は、車両は意図しない加速を防止するよう設計れされていると主張し、アクセルペダルの独立した2つの位置センサーに何らかのエラーがあった場合、モーターのトルクを遮断するようにシステムは設計されているとを指摘した。

「さらに、オートパイロットセンサー群も、ペダルの踏み間違いを検出してトルクを遮断し事故を軽減あるいは防止する役割を果たしている」と同社は記載している。

テスラの回答全文は以下の通り。

この申し立てはまったくの虚偽であり、テスラのショートセラーが提出したものである。我々は、車両が意図に反して加速したとドライバーが疑った事象をすべて調査した結果、車両のデータが存在するすべてのケースにおいて、当社の車両が設計通り作動したことを確認した。つまり、車両が加速するのはドライバーがそのように指示したその時だけであり、ドライバーがブレーキを踏めば減速あるいは停止する。

アクセルペダルの踏み間違いに起因する事故は、ほぼ全モデルについて疑われているが、Model S、X、および3のアクセルペダルには、独立した2つのセンサーが設置されており、何らかの不整合があった際にはシステムがモーターのトルクを遮断するよう設計されている。同様に、ブレーキペダルとアクセルペダルが同時に踏まれた場合は、アクセルペダル操作は無効となり、トルクは遮断され、トルクの状態にかかわらずブレーキが継続的に作動して車両を停止させる。またテスラ独自の機能として、オートパイロットセンサーもペダルの踏み間違いを識別し、ドライバーの行動が意図的でないと判断した場合は、トルクを遮断して事故を軽減あるいは防止する。それぞれのシステムは独立しており、データを記録しているので、何が起きたかを正確に調査することができる」

我々はNHTSAと十分な情報交換を行っており、意図しない加速に関する顧客の苦情を定期的に同局と一緒に検討している。過去数年間にわたり当社は、本申し立てに記載されている苦情の大部分をNHTSAと検討してきた。同局と検討したすべてのケースにおいて、データは車両が正しく作動したことを証明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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