ディズニー、Techstarsとの協力で独自のスタートアップアクセラレータープログラムを開始

ウォルト・ディズニーがインキュベーションビジネスに乗り出すこととなった。その名もThe Disney Acceleratorというのだそうだ。

まずは10社ほどを対象としたい考えで、コンシューマーメディアおよびエンターテインメント関連のプロダクトを扱うスタートアップを育てていきたいとのこと。選ばれたスタートアップは12万ドルの出資を受け、ディズニー社および各部門のリーダーたち(Pixar、Marvel、Lucasfilm、ESPN、およびWalt Disney Imagineeringなど)や、ディズニーのCEOであるBob Igerからの指導を受けることができることになる。

ディズニーの説明によると、このインキュベーションプログラムは「powerd by Techstars」であるようだ(他にもBarclaysMicrosoft、およびSprintなどがTechstarsと協力してインキュベーションプログラムを展開している)。ディズニーのコーポレートディベロップメント部門エグゼクティブ・バイスプレジデントであるKevin Mayerによると、Techstarsと密に連携しながらアクセラレーターとしての活動を展開していきたいとのこと。ディズニーとしては経営資源、知的財産などの各種リソースの活用も行っていく予定であるそうだ。

ディズニーのアクセラレーター活動のゴールは金銭的なものなのか、それとも企業戦略的なものなのかについてMayerにたずねてみた。「革新的アイデアを持つスタートアップの企業戦略策定に協力し、またメンターとしての活動を行いつつ、メディア関連およびエンターテインメント関連ビジネス全体の成長を促していくことが大きな目的です」とのこと。

「尚、ディズニーは1928年に音声と画像がきちんと同期したアニメを世界最初に送り出しました。また1932年には最初のフルカラーアニメを世に出しています。そして1937年には長編カラーアニメ映画を公開し、1955年にはテーマパークというものを、他に先駆けて開園しました。エンターテインメント関連テクノロジー開発の面でもトップを走り続け、マルチプレーンカメラ、オーディオアニマトロニクス、サークルビジョン360°、およびファンタサウンド方式などを世に送り出してきました。Disney Acceleratorはこうした伝統に続くものとして、メディアおよびエンターテインメントの世界の中で、さまざまなクリエイティブな発想を現実化し、イノベーションを生み出せるようにしたいと考えているのです」とも語ってくれた。

昨年末にはTwitterおよびSquareの共同ファウンダーであるJack Dorsey(Twitterのチェアマンであり、SquareのCEOである)を取締役に迎えるなど、ディズニーとテック業界との接近ぶりはあちこちで見ることができるようになっている。取締役メンバーには他にもFacebookのCOOであるSheryl Sandbergや、前Sybase CEOのJohn S. Chenなども名を連ねている。

アクセラレータープログラムは、本拠をロサンゼルスに構える。4月16日まで応募を受け付け、そして6月30日よりインキュベーション活動を開始したい考えだ。投資家向けのデモデーは9月に予定されている。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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