デコレーションとライブ配信コンテンツへの直接課金が特長、「Bocci」が本日ローンチ

bocciトップ

「ユーチューバー」という言葉が世間に広まったことは、一般人でも知名度を上げたり、動画配信から利益を得たりすることができるという認識が広まったことを示しているように思う。Facebook Live、TwitterのPeriscope、日本ではツイキャスなどのサービスの普及でライブ配信でも同じように利益が得られるようになるのは時間の問題だ。すでにYouTube Liveやニコニコ生放送では再生数に応じて広告収入を得ることができるが、本日ローンチしたSNS型ライブ配信アプリ「Bocci」はそれとは違う形で配信者にライブ配信の収益化の手段を提供する。Bocciで配信者はライブ配信、そして視聴者との1対1のライブチャットから直接利益を得ることができる。また、Bocciのマスクやフィルター機能でライブ配信を簡単に自分流にデコることができるのも特長だ。今回Bocciを展開するFACTORSの代表楠田雄己氏にこのアプリの狙いについて聞いた。

まずBocciの概要を説明すると、Bocciはストリーミング配信と視聴のどちらもできるプラットフォームだ。画面下にある3つのタブの一番右ではフォローしたいユーザーを探すことができる。左のタブは配信中のストリームの一覧だ。真ん中のタブからライブ配信を始めることができる。この画面では、ライブ配信のデコレーションを選ぶことができる。自分の顔に仮面やうさぎの耳などのマスクを付けたり、BGMや画面全体に色フィルターをかけたりすることができる。顔認識技術でマスクは顔を動かしても外れない。

Bocci GIF

Bocciのマスク機能を試してみた

ストリーミングを開始するとフォロワーに通知が飛ぶ。もちろんFacebookやTwitterにも通知を出すことが可能だ。

Bocciの最大の特長は、ライブ配信から直接収入が得られることだ。これまでのライブ配信サービスでは、配信者は動画の再生数に応じて広告収入を得るのが主流だった。一方Bocciでは1分単位でライブ配信の視聴者に課金することができる。視聴者がアプリで使用できる「ポイント」を購入して、配信者に支払う仕組みだ。配信者にギフトとしてポイントを贈ることもできる。また、Bocciでは1対1のライブチャットも可能だ。視聴者は配信者にライブチャット依頼を送り、配信者が承認すればライブチャットが始まる。その場合でも配信者は視聴者に1分当たりの料金を自由に設定することができる。

「Bocciでまず、ライブ配信のハードルを下げたいと考えています」と楠田氏は話す。仮面などで顔を隠したり、面白いマスクを付けることでライブ配信の恥ずかしさを減らすことができるだろうと楠田氏は説明する。配信者と彼らのファンを獲得し、続いてライブのコンテンツ配信、そしてフォロワーのファンとの交流から収入が得られるプラットフォームとしてBocciを確立させていきたい考えだ。Bocciではインフルエンサーとファンとの交流や占い師が1対1で相談に乗るような使い方を想定していると話す。

楠田氏は2015年2月から本格的にFACTORSの活動を開始したと言う。それまで楠田氏は元Klab Venturesのベンチャーキャピタリストだった。仕事を通じて多くの起業家と出会い、リスクを取って新しい事業を立ち上げている姿勢に感化され、起業を決意したと楠田氏は言う。FACTORSは現在、楠田氏とエンジニアの2名体制で、個人投資家から数千万円規模の資金調達を行ったという。会社を立ち上げる際に様々な事業アイディアを考えたが、今後スケールする可能性を感じたライブ配信を手掛けることにしたという。現在、複数のライブ配信のプレーヤーがいるが、この市場はいくつか異なるプレーヤーが共存できるほど大きいものになると楠田氏は考えている。

Bocciは本日からiOSでダウンロード可能だ。今後Androidとウェブ版を提供する予定だと楠田氏は話している。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。