デザインの履歴管理システムAbstractがローンチ

営業チームにはSalesforceがある。そしてエンジニアたちにはGitHubがある。しかしデザイナーにはこれまで大した選択肢がなかった。本日(米国時間7月11日)公開されたAbstractは、デザインプロセス上の強い不満を解消する、デザイナーたちのための、ワークフロープラットホームかつ記録システムだ。同社は、まずSketchのユーザーを誘い込むことに狙いを定め、Cowboy Venturesからの資金調達を受け、ビジュアルファイルタイプの全範囲に対応することも目指している。

大手企業のデザインワークフローは、しばしばサイエンスと言うよりもアートだ。承認や、バージョン管理、そしてチーム間のコミュニケーションといった主要なプロセスが、長い電子メールのやりとりを伴って、多くのファイルと関連したGoogle Drive上で行われることが決して珍しくない。すべてのものをデザインするための中央リポジトリがなければ、これらの場当たり的なプロセスは、規模が膨らむに連れて急速に手に負えなくなっていく。

AbstractとはデザインのためのGitHubだ(皮肉なことに、GitHubによってデザインに使用されている)。それは、人気の高いデザインアプリSketchのファイルに対応するために1から作成された。チームは、より大きなコンテキストとデザイン変更の洞察を、時間の経過とともに提供することで、Subversionのような歴史的なバージョン管理システムを打ち負かすことを目指している。

Abstractチーム

Figmaのようなデザインコラボレーションアプリとは対照的に、Abstractは同じドキュメントに対して同時に作業することはない。その代わりに、情報を失うことなくファイルをチーム間で共有できるように、編集経緯を提供することが目標だ。

AbstractのCEOであるJosh Brewerは、最終的にはPowerPointやKeynoteのような多機能ではないビジュアルコミュニケーションツールだけではなく、Adobe Illustratorにも対応する計画だと語った。

インタビューでBrewerは「Sketchの人たちとは本当に密接な関係を築いています」と語った。「私たちが示した仕事の成果に、彼らはとても感激してくれました」。

本日から、誰でも3つのオプションの中から1つを選んで、Abstractにサインアップすることができる。個人向けには無償で提供されるが、フリーランサーやより大きなビジネスチームなどのプロユーザー向けには有料のオプションがある。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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