デジタル通貨のプロフェッショナルを定義する

[筆者: David Berger]

編集者注記: David BergerがCEOをしているDigital Currency Council(DCC)は、Bitcoinに関する教育訓練や検定試験、資格証明を提供している団体で、弁護士や会計士、金融の専門家などで構成されている。ここは、コミュニティのメンバーやブロックチェーンへのアクセスも提供している。

新しい産業が発展すると、新しい職業が生まれる。そして、重要な産業において一般人と専門家とのあいだの情報や知識の格差が大きいときには、それらの専門家を客観的に定義して検定するための、組織的なプロセスが必要になる。このプロセスは当の産業の成功のために欠かせないだけではなく、努力してその道の専門家になった人たちの成功のためにも重要だ。

デジタル通貨の経済は新しい知識集合を必要とし、また、個人がその知識を獲得してそのことを証明できる方法も必要だ。エコシステムの成熟と成長は、それに依存している。

DCCは最近までの数か月をかけて、デジタル通貨のプロフェッショナルに必要な中核的能力を定義し(下表)、個人がそういう能力を持つためのオンラインの教育カリキュラムと、能力を検定するための試験を作ってきた。

必要な能力の定義と並んで重要なのは、中核的ではないと見なされる能力を排除することだった。高いレベルの定義が必要ではあるが、これからデジタル通貨の専門的能力を身につけようとする人びとによく分かる定義でもなければならない。したがって中核的能力は専門的能力のあくまでもベースラインであり、今後の実際の仕事の中で身につく、理想的で高度な能力の定義ではない。

そのため、中核的能力を定義するにあたっては、経験と今後の継続的な教育によって身につく専門的能力を排除することにした。

必要とされる知識は永久不変ではなく、産業の変化成長とともに変わっていく。それゆえ、他の産業と同じくデジタル通貨のプロフェッショナルにおいても、全キャリアを通じての継続的教育が必要である。

ここで提案するのは、ある職業分野の排他的なカテゴリーではない。むしろそれは、今後の、弁護士や会計士やコンプライアンスの専門家や、金融関連のアドバイザー、企業コンサルタント、情報技術の専門家などなどからの介入により、肉をつけていくべき、最小限の定義だ。

製鉄工は産業革命とともに生まれた。鉄道技士はその後の繁栄社会から生まれた。宇宙飛行士は宇宙の時代から生まれた。そしてITのプロフェッショナルは情報化時代から生まれた。今日のデジタル通貨のプロフェッショナルは、数学と透明性が定義する新たな効率性とアクセス性と全員の利益をもたらす、分散的デジタル貨幣の時代から生まれようとしている。

デジタル通貨は次の時代の人類の進歩を定義する。デジタル通貨のプロフェッショナルは、そんな時代のさまざまな成果を作り出す。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

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