デバッグをワークフローに統合してエラーの発見と修復を迅速化するSentryがS16Mを調達

デバッグを大幅に効率化し、その所要時間を“5時間から5分に短縮する”と自称するSentryが今日(米国時間5/24)、これまでの投資家NEAとAccelがリードするシリーズBのラウンドで1600万ドルを調達したことを発表した。NEAとAccelは、Sentryの2年前のシリーズAにも参加している。

協同ファウンダーでCEOのDavid Cramerによると、このラウンドでSentryの調達前評価額はおよそ1億ドルになった。同社が最近リリースしたSentry 9は、同社のそのほかのソフトウェアと同様、オープンソースだ。Sentry 9を使うとエラー修正をデベロッパーのワークフローに統合/一体化でき、コードの各部を担当しているデベロッパーに自動的に通知を送り、環境でフィルターする*ことによって、問題箇所の特定を助ける。またそれにより、複数のチーム間のコラボレーションも可能にする。同社によると、この方式ならバグフィックスに要する時間が“5時間から5分に短縮される”、という。〔*: 参考記事

同社は、とくにプロダクトのチームでは、“デベロッパーと彼らに隣接しているロールを重視する”、とCramerは語る。そこで同社が次に出す予定のツールは、単純なバグでなく、アプリケーションのパフォーマンス管理に関連したより深い疑問に答えるものだ。

“今の弊社のツールが答える疑問は、‘ここのこれが壊れているんだけど、なぜ?’というレベルの疑問だ。それをもっと拡張して、‘これら一連のものごとが同じ理由で壊れているのか?’というより深い洞察に取り組みたい。エラーでないものも、調べなければならない。たとえば、プロダクトのアップデートをデプロイしたら、サインアップフォームへのトラフィックがゼロになった。どこにもエラーはないが、相当深刻だ。…そんな例だ”、とCramerは述べる。

Sentryの技術は、ファウンダーのChris JenningsとCramerがDisqusにいたとき担当したDjanaアプリケーションの、例外(エクセプション)をログする社内的ツールがルーツだ。そのツールをオープンソースにしたら、たちまち、いろんなプログラミング言語用のフォークができてしまった。その需要に応えるべく、2012年にSentryはサービスをホストした。今では有料顧客が9000社(Airbnb, Dropbox, PayPal, Twitte, Uberなど)、計50万のエンジニアが利用し、1年に3600億件あまりのエラーを処理している。

プレス向けの声明でAccelのパートナーDan Levineが言っている: “Sentryの成長は、世界中どこでも、アプリケーションのユーザーが、バグやクラッシュのない完全なユーザー体験を求めていることの証(あかし)だ。お粗末なユーザー体験は、会社を殺す。迅速かつ継続的に前進できるためには、プロダクトのチームは、アプリケーションのアップデートの不具合で去る顧客はいないことを、知る必要がある。重要なのはソフトウェアの本体機能であり、その機能性だけは、エラーフリーでなければならない。Sentryは、デベロッパーがそんなソフトウェアを作れるようにしてくれる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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