デベロッパが自分のアプリの利用状況をチェックできるApp Engagement ReportsをAmazon Appstoreが提供

モバイルアプリのデベロッパ向けに数々のサービスを連射しているAmazonが今日(米国時間5/24)は、App Engagement Reportsを発表した。これは、アプリの利用状況を報告する無料のアプリケーションで、今度から同社のMobile App Distribution Portalに含まれることになる。Amazon Appstoreのデベロッパがアプリのパフォーマンスや売上などに関する情報を知りたいときに、このアプリケーションを使う。

同社の発表時の説明によると、このレポートには、各日各月のアクティブデバイス数、アプリのインストール数、アプリの実動セッション数、デバイス一台あたりの平均売上、ユーザ保持率(リテンションレート)などの数値データがあり、それをマーケットプレース別にフィルタしてチャート形式で見たり、CSVでダウンロードしたりできる。また期間を区切って時系列でデータを見ることもできる。

提供されるEngagement Reports(エンゲージメントレポート)は、次の6種類だ:

  • 概要: あなたのアプリやゲームの主な利用状況データ
  • 平均売上: アプリ内アイテムのデバイス一台あたり各日各月平均売上(Average Revenue per Device, ARPD)と有料ユーザ一人当たり平均売上(Average Revenue per Paid User, ARPPU)
  • リテンション(ユーザ保持率): 1日3日7日の日別保持率と1週2週3週の週別保持率
  • アクティブデバイス数: 各日アクティブデバイス(Daily Active Devices, DAD)、各月アクティブデバイス(Monthly Active Devices, MAD)、スティッキーファクター(Sticky Factor(DAD/MAD), 継続率)
  • アプリ実動セッション: 各日総セッション数とデバイス一台当たり平均セッション数
  • アプリのインストール: 各日インストール数とアンインストール数

当面、レポートが得られるのは2012年10月25日以降に提出したアプリのみだ。それ以降に更新のないデベロッパは、アプリを再パブリッシュするかアップデートを提出して、レポート機能を有効にする必要がある。ただしアプリのコードに変更は必要なく、ほかのソフトウェアを統合する必要もない。

Amazon Appstoreのアプリの最新バージョンの、一般的なAndroidデバイス上での使用状況のほかに、Kindle FireやFire HDなどAmazonのデバイスで動くアプリもレポートに含まれる。

アプリの売上や利用状況に関するデータはAmazonのAppstoreにかぎらず、マーケットプレースサービスが提供するサービスの一環としてきわめて重要だから、Google PlayストアやAppleのiTunesではすでに標準の機能になっている。多くのデベロッパがサードパーティのSDKを統合して詳細なレポートを得ているが、だからAmazon自身が提供しなくもてよい、ということにはならない。Amazonはこの機能について、“デベロッパからのリクエストがとても多かった”、と言っているが、なにしろマーケットプレースが必ず持つべき機能の一つだ。

このEngagement Reportsの提供の前にも、AmazonはAppstoreの機能増強に努めている。そのグローバル展開だけではなく、アプリ内決済、サブスクリプション(会費制)、そしてAmazon独自の仮想通貨Amazon Coinsまで導入してきた。いずれも、デベロッパの収益性を高めるための布陣だ。

デベロッパにはこういう機能を実験しているひまが、なかなかなかったが、でもARPU(ユーザ一人当たり平均売上)やリテンション(保持率)などは、アプリの今後の改良の強力な動機を導くデータだから、必ずレポートを見るという習慣をつけた方が良い。

レポートの項目の詳細については、ここに説明がある。またEngagement ReportsのFAQには、いろいろと具体的な質問とそれらへの答えが載っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))