データで最適化を図るサブスク型のワイン販売会社Bright Cellars社が約12億3200万円の資金調達を達成

6年前に設立されたサブスクリプション型のワイン販売会社Bright Cellars(ブライト・セラーズ)は、多くの新興企業と同様に、時間をかけて進化してきた。アメリカのウィスコンシン州ミルウォーキーを拠点とするBright Cellarsは、かつては会員の嗜好に合ったサードパーティ製のワインを送っていたが、現在では顧客に関する十分なデータが蓄積されているため、他のブランドのワインは販売していない。その代わりに、Bright Cellarsの「オリジナル」商品の中には確かに他のブランドから別の名前で販売されているものもあるが、パートナーであるワインメーカーにレシピの調整を指示することで、成功を収めるケースが増えている。

「私たちは、デジタル製品を最適化するのと同じように、ワインを最適化しています」と語るのは、サンフランシスコ出身の共同創業者兼CEOのRichart Yau(リチャード・ヤウ)氏だ。彼のスタートアップは、早い段階で地域のアクセラレータープログラムに参加し、そこに留まったが、現在では会社の大部分が分散化した。

今朝早く、ヤウ氏とこの方向転換について話をした。Cleveland Avenue(クリーブランド・アベニュー)を中心に、Revolution Ventures(レボリューション・ベンチャーズ)やNorthwestern Mutual(ノースウェスタン・ミューチュアル)などの投資家が参加して、シリーズBとして1,120万ドル(約12億3200万円)の資金調達を行っている。同社は現在、合計で約2,000万ドル(約22億円)ほどの資金を調達している。

また、ヤウ氏は、すべてのデータ収集によって見えてきた業界のトレンドについても語ってくれた。

TC:ワインのポートフォリオを作っていますよね。それはどういうことなのでしょうか?

ヤウ氏:私たちは、土地を所有していません。[Gallo(ガロ)やConstellation(コンステレーション)のような大手企業と同じように]主にサプライヤーと仕事をしていますが、以前よりも規模が大きくなったので、ワインの味や見た目をデザインすることができるようになました。このワインはどのくらい甘くすべきか、酸味はどうか、どのような色やブランド、ラベルにしたいのか、どの層のお客様がこのワインを一番楽しめるのかなど、さまざまな変数を最適化することができます。

TC:御社が調合したワインの中で、どんなものがあるのですか?

ヤウ氏:誰もスパークリングワインに使っていないブドウ品種を使って、シャンパーニュ方式で製造されたスパークリングワイン(シャンパーニュワインではなく、国産ワイン)がありますが、これは私たちのプラットフォームでもトップクラスの評価を得ています。スパークリングワインは、本当に好調です。

TC:サービスの登録者数はどのくらいいますか?

ヤウ氏:それは言えませんが、パンデミックの期間中、新規加入者数だけでなく、お客様の購買がD2C(ダイレクトtoコンシューマーの略)に流れる割合が増えたことで、かなり良い影響を生んでくれました。状況がすこし改善した夏になっても、家で引き続き料理をしたり、ワインを飲んだりする人が増えていました。

TC:このプラットフォーム上では、ワインの平均価格はいくらですか?

ヤウ氏:20ドル(約2200円)から25ドル(2750円)です。

TC:ブドウの仕入れ先はどこですか?

ヤウ氏:ワシントン州やカリフォルニア州などの西海岸が多いですが、南米やヨーロッパなどの海外にもブドウのサプライヤーがいます。

TC:ワインの種類はどれくらいありますか?また、どれくらい試し置きしているのですか?

ヤウ氏:これまでに約600種類のワインを試しましたが、常時40~50種類のワインを用意しています。すべてをずっとストックしているわけではなく、あまり売れないものは基本的に排除しています。

TC:多くのD2Cブランドが、最終的に実店舗を出店します。御社はそれをしていませんね。なぜでしょうか?

ヤウ氏:いつかはそうなるかもしれませんが、私たちはD2Cであることを気に入っていますし、登録会員の皆様が自宅で仕事をしていて、家にいても荷物を受け取ることができる今の世界では、D2Cであることはとても意味のあることだと思います。これは 、一般的なeコマースのトレンドとも一致します。食料品をお店で買わなくなったということは、ワインもお店で買わなくなったということですよね。

TC:ボトルはどこから出荷されるのですか?

ヤウ氏:様々な場所からですが、主に(ベイエリアの)サンタローザからです。

TC:カリフォルニアのワインメーカーの中には、ブドウを守るために日焼け止めを吹き付ける人もいるようですが、天候が与える影響を実感されていますか?

ヤウ氏:(気候変動が)ワイン業界に影響を与えているのは確かです。幸いなことに、私たちは取引先に柔軟性があるので、事業の健全性の観点からはそれほど影響を受けていません。なぜなら、当社の事業の多くはカリフォルニアで行われているからです。2年前は物流が滞り、出荷できない日があったり、気温の上昇による影響を受けたりしました。しかし幸いなことに、今年はこれまでのところ、オペレーションやサプライチェーンの混乱はありません。

TC:老舗企業(レガシー企業)から提携や買収の話を持ちかけられたことはありますか?

ヤウ氏:会話はしていますが、私たちは多くのデータを持っていて、彼らを手助けすることができるので、パートナーシップという意味での会話をしています。例えば、新しいワインを発売し、フォーカスグループのような形でフィードバックを得て、誰が何を好むかを把握することができます。また、あるワインの2種類のブレンドをスプリットテストして、どちらが良いかを調べることもできます。彼ら老舗のワイン企業との会話もそこから始まります。

TC:それでは、データの対価としてお金が支払われるのですね。

ヤウ氏:将来的にデータを売ることに反対はしませんが、どちらかというと、大きなワイン会社でイノベーションがどのように活用できるかを学ぶ機会としてアプローチしています。各州で大規模な営業力やディストリビューターをもつConstellationが得意とすることと同じことができるとは思っていませんが、補完的な方法でできることは、消費者を理解するということです。

TC:外部の人が驚くような発見はありましたか?

ヤウ氏:プティット・シラーは、プラットフォーム上でカベルネやピノ・ノワールと同等か、それ以上の成果を上げています。カベルネやピノはプティット・シラーの50倍もの市場規模がありますが、会員の皆様にはとても気に入っていただけているようです。

また、すべての層の人々が、思っている以上にメルローを気に入っています。メルローは嫌われがちですが、赤のブレンドワインで成功しているものを見ると……。

TC:人々はメルローに対してどんなイメージを持っているのですか?

RY:(笑)映画『Sideways』を見たことがありますか?やはり、それが関係しているのでしょうね。(作中、ピノ・ノワールを崇拝するキャラクターに、メルローがとにかく嫌われている)一方、ピノ・ノワールは依然として人気がありますが、(他のワイン販売業者が)思っているほど、人々はピノ・ノワールを好きではありません。

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TechCrunch Japan

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