データの不整合をいち早く見つける監視サービス「Soda」

Soda(ソーダ)はデータ処理システムの問題発見を支援するデータ監視プラットフォームだ。これを使うことで、管理者はできるだけ早く問題に対応し、データの整合性を確実に維持できる。

デジタルファーストの会社では、会社も顧客も膨大なデータを生成しているはずだ。さらにはそのデータを、プロダクト自身のために活用しているかもしれない。例えばホテル料金の検討、フードデリバリーウェブサイトで目的のレストランを見つける、フィッテック会社に融資を申し込むことなど。いずれも巨大データを扱うプロダクトだ。

「企業はデータプラットフォーム(と呼んでいるもの)を3大クラウド(Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azure)のどれかに構築し、自分たちのデータをそこに入れ、アナリティクスなとで利用できるようにしています」とSodaの共同ファウンダーでCEOのMaarten Masschelein(マールテン・マッシェライン)氏は語る。

そしてそのデータ貯水池なりデータ倉庫を分析して、データを視覚化し、自社のサービスなどを監視する。しかし、もしそのデータワークフローに問題があったら何が起きるだろう?

データの一部が消失していたり、数え間違いに気づくまでには時間がかかることがある。たとえばFacebookはビデオ視聴回数を何年にも渡って数え間違えていた。問題が見つかれば、ビジネスの重要な部分が影響を受けるかもしれない。

Sodaはデータ問題をできるだけ早く見つけるために、データを自動的かつ大規模に監視する。「できるだけ上流の、データソースに近いところで見張ります」とマッシェライン氏はいう。

データプラットフォームにSodaを設定すると、すぐにいくつかアラートが送られてくる。Sodaは何か違うことが起きると知らせてくる。例えば、あなたのアプリケーションが普段は24時間に2万4000レコード生成するのに6000レコードしか生成しなければ、何か悪いことが起きている可能性が高い。あるいは、毎分新しい入力があるはずなのに、15分間何も入力がなければ、あなたのデータは新鮮ではないかもしれない。

「しかし、それでカバーされるのはデータ問題と考えられるもののごく一部です。テスト、検証したいロジックは他にもあります」とマッシェライン氏は述べた。

Sodaでは、ユーザーがデータをテスト・検証するためのルールを作ることができる。基本的に、ソフトウエア開発のテストスイートを思い浮かべてもらえればいい。アプリの新しいバージョンを開発するとき、コードはいくつかのテストに合格し、新しいバージョンで重大なエラーが起きないことを確認する必要がある。

Sodaを使えば、データを瞬時にチェックして結果を得られる。もしテストに合格しなければ、ブログラムによって反応できる。例えばプロセスを停止してデータを隔離する。

この日、同スタートアップはSoda Cloudも公開した。組織内のデータフローを視覚化するコラボレーションウェブアプリケーションだ。これを使えば、技術系でない人も簡単にメタデータを見て、すべてが正しく流れていることを確認できる。

通常、SodaのユーザーはSoda SQLを使う。データを一覧するためのコマンドラインツールで、Soda SQLの結果を見るためのウェブアプリケーションであるSoda Cloudと一緒に使う。

これらのプロダクトの提供に加えて、Sodaはデータがソフトウェア・プロダクトのカテゴリーの1つになるというビジョンを持っている。今や開発チームはテスト、統合、展開、バージョン管理などを自動化するための開発ツールを山ほど使っている。しかし、データチームのために特化して作られたツールにも大きな可能性がある。

Sodaは最近、1350万ドル(約14億9000万円)のシリーズAラウンドをSingularのリードで完了した。Singularはパリを拠点とする新しいVCファンドで、 今週私が紹介した。Sodaのシード投資家にはPoint Nine Capital、Hummingbird Ventures、DCFらがいるほか、さまざまなエンジェル投資家が出資している。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Soda資金調達

画像クレジット:Soda

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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