トラベル情報のSkyscanner、Yahoo Japan他からの1.92億ドルでアジア進出を加速

2016-01-13-skyscanner

今日(米国時間1/12)、イギリスのエジンバラに本拠を置くトラベル検索エンジンのSkyscannerは1億2800ポンド(約1億9200万ドル)のベンチャー資金を調達したことを発表した。 同社は評価額を明らかにしていないが、Financial Timesは評価額は16億ドルと推定され、めでたくユニコーン〔評価額10億ドル以上のスタートアップ〕の仲間入りをしたと報じている

Skyscannerの創立は2003年で、今回の新規資金は同社が国際市場を開拓し、そのために必要な企買収を実施するために利用されるという。今回はアジアから新しく投資家とが参加した。そのうちの2社はマレーシア政府の戦略的投資のためのファンド、Khazanah Nasional Berhadで、もう1社はすでにSkyascannerのベンチャー・パートナーである日本のYahoo! Japanだ。

ファンドマネージャーのArtemis、独立の投資マネージャー。Baillie Gifford、非公開証券会社のVitruvian Partnersもこのラウンドに加わった。SAPとSequoiaはこれ以前からのパートナーだ。

同社は公式ブログ記事で、今回のラウンドは一次投資、二次投資の2部に分かれ、それぞれ新しい投資額に応じて株式の持ち分(率は非公開)を得たとしている。

共同ファウンダー、CEOのGareth WilliamsはFinancial Timesとのインタビューで、「新しい資本はわれわれの株式の換金性を高めるので、一部の株主は株式をすべて手放すことなく、一部を売却することができるようになるだろう」と述べている。

この3年、Skyscannerはアジア市場への参入の努力を重ねてきた。中国最大の検索エンジン、百度やYahoo! Japanと提携し、日本、中国、シンガポールにオフィスを開設した。また中国のトラベル検索のスタートアップ、Youbibiを買収している。

Skyscannerサイトは毎月5000万人が利用している。しかしこの分野にはライバルがきわめて多い。Kayak、Expediaに加えて中国からもQunarやCtripのようなサビスが現れている。またGoogleのフライト情報、Google Flightsも手強いライバルだ。Googleはフライト情報処理ソフトのスタートアップ、ITA Softwareを2010年に買収したのを機としてFlightsのサービスを提供開始している。

画像:: Ditty_about_summer/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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