ドイツでトラックに代わるドローンによる社内輸送の試行を実施

ドローンのスタートアップであるWingcopterは、提携先である製薬会社のMerck(メルク)およびフランクフルト応用科学大学と共同で、新しいドローン輸送サービスの運用テストを完了した。物理的に離れた社内施設間で小型貨物を運ぶ際に、トラックやその他の路上輸送に代えてドローンを使うことの利点を示すことが目的だ。今回の初フライトでは、ドイツのゲルンスハイムにあるメルクの研究施設から約25km離れたダルムシュタットの本社まで顔料サンプルを運んだ。

この試行にはいくつもの重要な意味がある。現地は比較的密集した都市部にあり、送電線、鉄道、道路などの上を飛行しなければならない。またこの実験では、継続的な視界を確保せずに実施されたが、有視界飛行は現在ほとんどの商用ドローン輸送テストで必須だ。提携各社はこれが世界中で行われている同様のパイロットプロジェクトの参考事例になることを望んでいる。

今後、同プロジェクトはさらに輸送テストを重ね、実験結果をまとめて3月に報告する予定だ。トラックに代えてドローンを使用することは、時間(1日が1時間になることもある)、排出ガス、さらには重くて燃料を食う大型トラックを空で戻す無駄を省くこともできるなどのメリットがある。

WingcopterのCEOであるTom Plümmer(トム・プルマー)氏はプレスリリースで、さまざまな利用場面でのドローン配送の利点を「繰り返し実演」してきたことを強調し、救急救命医療品を遠隔地に届けたことにも言及した。米国では、Alphabet傘下のWingがFedExとの提携で実施した試験、UPSがMatternetと共同配送した例などがあるが、今回の商用試験は一般消費者の賛同を必要としない点で、短期的にはチャンスが大きいかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook