ドイツの研究所が実際にテレポートマシンを作った??

Hasso Plattner Instituteの最新プロジェクトで“転送”されてみたい人は、まだいないと思うが、この研究所が作ったテレポートマシンでは、送信した物が一度破壊されて、3Dプリンタで再び組み立てられる。

テレポート(teleportation)とは、通常の理解では、物が別の場所へ移動することだ。そのときの送受信機と通信回線の上では、物が原子に分解されて送られ、再び元の物へ組み立てられる。…といった、ありえない方法が使われる。しかしこの研究所のテレポートでは、物がスキャンされてその3Dモデルが作られ、それが遠くの3Dプリンタへ送られて、プラスチックで再生される。その際、元の物は粉々に砕かれる。たとえば、あなたが持ってる珍しいフィギュアをテレポートすると、その物は粉にされてしまい、別の場所にその正確なコピーが作られる。その物がプリントされたら、その3Dモデルのデータも迅速に破壊される。

二台の3Dプリンタを使うが、片方はグラインダーとスキャナ役を担当し、もう片方はRaspberry Piによる受信装置が暗号化されたメッセージを受信する。このプロジェクトはScottyというたいへん可愛らしい名前で、完成品のプロダクトというよりもむしろ、新しいアートの方法を概念実証しようとする実験的なプロジェクトだ。

研究者たちはこう言っている:

Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない。今のプロトタイプは、単一の物質(プラスチック)しか使えないという制約があるが、アプリケーションの重要な目的二つをすでに実現している: (1)物の単一性を保持するので、友だちなどとの共有においてその物の感情的価値が保全される。(2)所有者はつねに一人なので、物を電子的に急速搬送した場合のライセンスの問題を解決する。

つまりScottyなら確実に、その物はどんなときでも一つしか存在しない。一つしかないことに伴う感情的価値や商業的価値が保全される。また、テレポートの実現性を証明する。複雑な物はこのシステムでは無理だし、生きてる猫も送れないが、アイデア自体はかなりクールだ。

研究者の一人、Stefanie Muellerが上でこう言っている: “Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない”。たしかに破壊的ではあるけど、でもテレポートという考えがそもそも、物理的なパラドックスという名の苦行を物に強いることではないだろうか。

出典: 3DPrint

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))