ドローン出現で閉鎖の英ガトウィック空港が再開

付近でドローンの飛行が継続的に確認されたために丸一日閉鎖されていた、英国で2番目に大きいガトウィック空港が今朝早く滑走路の使用を再開した。


今朝8時(グリニッジ標準時)に発表されたメディア向けの声明文では、同空港は午前6時に滑走路の使用を再開し、“限られた数”の飛行機が離発着を行なっている、としている。

滑走路使用の頻度は1時間あたり数回と“かなり制限されている”とも警告している。

警察部隊が特定されていないドローン操縦者(ら)の捜索を昨日から続けているが、これまでのところいまだ不明だ。昨夜はドローン操縦者探しに軍も投入された。

ガトウィック空港は、搭乗予定の人に対し、空港に来る前に航空会社に運航状況を問い合わせるようアドバイスしている。

ガトウィック空港は、滑走路を再開してもいいかどうか、そして最優先事項である乗客の安全の確保を図るために、政府、そして軍と夜通し作業を行なった、としている。

「我々は引き続き、影響を受けて空港にとどまっている乗客へのサポートと情報提供を続けていて、一晩中チームが対応にあたった。今日、我々が優先することは、人々がクリスマスにいるべきところに行けるよう空港を正常に戻すことで、日中を通してなるべく多くの情報をアップデートしていく」と付け加えた。

Guardianは運輸大臣Chris GraylingがBBCの番組Breakfastで今朝述べたコメントを伝えている。彼は「空港が閉鎖されている間、“少数のドローン”と思われるものが40回ほど目撃された」と語っている。

「このような形で空港が大混乱するのは、世界でも前代未聞だ。今回起きたことから早急に学ばなければならないだろう」ともGraylingは述べた。

「何が起きたのかを共有するため、そして何を学ぶ必要があるのかを理解するため、国中の空港関係者を呼んで会議を開く。そしてこのような事態が二度と起こらないよう、とれる全ての対策を実行する」。

航空大臣のBaroness Suggは今回の事態をめぐり、昨日上院で厳しい質問責めにあった。

ロボティクス専門家もまた、政府はドローンがいかに誤って使用され得るかという懸念に何年も耳を傾けてこなかった、と述べて政府のテクノロジーについての独りよがり的な姿勢を酷評した。

英国は今年法改正し、空港から1キロ以内と上空400フィートの領域での飛行を禁じるなどドローンに制限を加えた。

違反してむやみにドローンを飛行させたり、航空機や搭乗している人を危険にさらすような行為には、最大禁錮5年の刑、または制限のない罰金、もしくはこの両方が科される。

しかし、批評家は規則があまりにも弱く、広範にわたるインフラやサービスを混乱させるのにドローンが使用されることがないよう、より踏み込んだ措置が必要、と指摘している。

Image Credits: Derek Croucher / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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