ニオイ可視化センサーのアロマビットが日本たばこ産業、East Venturesから資金調達

ニオイを可視化するセンサーを開発し、関連サービスを提供するアロマビットは10月21日、日本たばこ産業(JT)および既存株主のEast Venturesを引受先として、総額3億5000万円を上限とする第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

アロマビットが開発するのは、小型ニオイイメージングセンサー。さまざまなニオイの成分を複数の吸着膜で吸着し、重さの変化をセンサーで読み取ってパターンとして出力することで、ニオイのパターンを「可視化」するというものだ。従来のガスセンサーが特定の成分にだけ反応していたのと比べて、より生物の鼻に近い判断が可能となる。

2014年12月の創業以来、水晶振動子をセンサー素子として利用した高感度ニオイセンサー製品の開発・実用化を行ってきた同社は、より小型でニオイ解像度の高いシリコンCMOS型センサーを豊橋技術科学大学と共同開発し、7月に設立を発表した子会社を通じて実用化を図っている。

アロマビットによれば同社の製品・サービスは、ニオイが密接に関連しそうな業界、例えば食品、日用品、コスメといった領域だけでなく、産業機械やロボティクス、モビリティや見守り・ヘルスケア、農業、マーケティングといった分野からも問い合わせや商談が増えているとのこと。国内だけでなく国外からの引き合いも多いという。

アロマビットは、2015年にEast Venturesと個人投資家からシード資金を調達。2017年2月にはみらい創造機構と個人投資家らから1億5000万円を調達している。その後、匿名の事業会社からの調達に続き、今年の3月には、ソニーのCVCであるSony Innovation Fundと既存株主の匿名事業会社から総額2億5000万円の資金調達を行ったことを明らかにしている。

今回の調達により、アロマビットはニオイイメージングセンサーのさらなる高機能化・小型化に向けた開発強化、量産体制の整備を進める。またハードウェアであるセンサーにより収集したニオイデータのデジタル化、データベース化による新製品・新サービスの開発強化や、海外展開も視野に入れた営業・マーケティング体制の強化も図る予定だ。

新株主であるJTとの協業の有無については、今回、具体的には明らかにされていない。ただ、主力のたばこ事業だけでなく、農業・医薬・食品など、アロマビットのセンサーが活用できそうな事業をほかにも多く展開する同社とは、いろいろな面での協業が考えられそうではある。

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TechCrunch Japan

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