ネクストミーツが長岡技術科学大学と提携、マメ科植物を材料に代替⾁に適性のある原料の研究開発

ネクストミーツが長岡技術科学大学と提携、マメ科植物を材料に代替⾁に適性のある原料の研究開発

フェイクミート(代替肉)を展開するフードテック領域のスタートアップ企業「ネクストミーツ」は6月7日、長岡技術科学大学と共同研究に関する契約締結を発表した。同大の⼤学院⼯学研究科⽣物機能⼯学専攻、⻄村泰介准教授と連携して、同氏が専門とする「エピジェネティクス」などの先端的なバイオテクノロジー手法を用いた、代替⾁に適性のある原料の研究開発を行う。

ネクストミーツでは、メカトロニクスの知見を活用し、動物性原料と食品添加物を使わないオーガニックな食品を提供するかたわら、バイオテクノロジーを軸とした研究も進めてきたが、2021年からその研究体制を強化しているという。今回の共同研究の中心になるのが、エピジェネティイクス(後成遺伝学)だ。西村准教授はこう説明している。

「近年、植物でも様々な遺伝⼦の発現(スイッチのオン・オフ)がどのように制御されているかが明らかになってきており、それを操作することで新しい機能を持つ植物の開発が進められています。エピジェネティクスは⽣命の設計図であるゲノムDNAの塩基配列⾃体を変化させることなく、遺伝⼦の機能(スイッチのオン・オフ)を変化させる細胞⾃⾝が持つ遺伝⼦発現の制御システムです。これを応⽤できれば、⽣命の設計図であるゲノムDNAの塩基配列を改変することなく新しい機能を持った植物を開発可能となり、持続可能な技術として期待されています」

こうした最先端のバイオテクノロジーを用いて、ネクストミーツはマメ科植物から代替肉に適正のある原料を研究する。

ネクストミーツは、2017年から共同創業者2名が研究を始め、プロダクト完成の2020年6月に法人化した。2021年1月には米国市場にSPACスキームでOTCBBに上場、現在は日本だけでなく台湾やベトナムなど海外10か国以上での展開に着手している。「過剰な畜産を減らすことで気候変動問題の解決に貢献すべく」事業を展開し、世界初の焼肉用フェクミート「NEXT焼肉」や、100%植物性の⽜丼「NEXT⽜丼」などを発売している。

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カテゴリー:バイオテック
タグ:長岡技術科学大学(組織)代替肉 / 植物由来肉(用語)ネクストミーツ日本(国・地域)

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TechCrunch Japan

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