ネットショッピングで「カート」に入れたものを自動的に分類するプラグインCarrotが約6.1億円を調達

eコマースの発展により、私たちはこれまで以上にブラウジングやショッピングをするようになったが、だからといって実際にそれほど多くのものを買っているわけではない。実際、Shopifyが引用したBaymard Instituteによると、ショッピングカートの約70%はデスクトップ上で放棄され、その数はモバイルやタブレットでは増える一方だという。

Bobby Ghoshal(ボビー・ゴーシャル)氏と共同設立者Ramin Bozorgzadeh(ラミン・ボゾルグザデ)氏による最新のベンチャー企業であるCarrotは、この状況を変えようとしている。

Carrotは、カートに入れた商品を保存し、自動的に分類するプラグインだ。

同社はKindred Ventures、M13、Abstract、Designer Fund、Combine、Paris Hilton(パリス・ヒルトン)氏、Scott Belsky(スコット・ベルスキー)氏、Riverpark、Nextviewなどの投資家から550万ドル(約6億1200万円)のシードラウンドを受けたことを発表した。

Carrotの「特別なソース」は、小売店を問わず、カートに入れた商品を追加のボタンや信号なくキャプチャーする製品の機能だ。この技術は、カートに入れるというアクションをキャプチャーし、価格や小売店を含む情報をプラグインに保存する。

Carrotは、小売業者自体に基づいてカートを自動的に分類するが、ユーザーが独自のフォルダを作成することもできる。例えば、電灯を複数の小売店で購入する場合「電灯」というフォルダを作成し、価格や外観をCarrot内で比較することができる。

また、カートに入れた商品の価格変動を追跡することで、ユーザーはセールの時期を知ることができる。

Carrotでは、レジストリーを作成して友人や家族に送ることができる。レジストリー製品は、Carrotの主なユースケースの延長線上にあり、まだ完全な機能としては構築されていない。つまり、欲しいものリストのページを友人や家族に送っても、誰かがある商品を買ったかどうかはわからないので、重複してしまう可能性があるということだ。しかし、チームはその機能を近い将来に実現するという。

ゴーシャル氏は、シリアルファウンダーだ。Candidを共同で設立し、1億5000万ドル(約167億円)以上の資金を調達した他、WeWorkでデザインと成長の責任者を務めた経験もある。一方、ボゾルグザデ氏は、WeWorkのファウンディングエンジニアであり、WeWork Labsのエンジニアリング責任者、Etsyの初期のエンジニアでもあった。

現在、Carrotはデスクトップ版のみを提供しているが、モバイル版でもカートを保存できるようにしている。ゴーシャル氏によると、カスタマーからのフィードバックで、Carrotが提供する番号を使って、アイテムをカートにテキストで入れたいという要望があったそうだ。このアイデアは、ユーザーが後で買いたい商品をすでに自分にテキストで送っているということだ。

Carrotは、アフィリエイトモデルを利用して収益を上げている。小売店は、最初のセッション後にチェックアウトしたカスタマーごとに同社に支払う。

最終的には、ブランドが月額料金を支払うことで、競争入札やオーディエンスプロファイリングなどの機能を利用できるSaaSモデルに移行する計画だ。また、複数のチャートで単一のチェックアウトオプションを利用できるようにし、交換手数料などで収益を上げることにも取り組んでいる。とはいえ、現在は規模の拡大に重点を置いているため、収益は優先事項ではない。

ゴーシャル氏は、同社最大の課題は、人々がCarrotの使い方を話し、それを友人と共有するということも含めた規模の拡大にあると考えている。

「Googleのプラットフォームに関する課題についても考えなければなりません」とゴーシャル氏はいう。「理想的には、Googleに掲載されることですが、Googleがこの分野に参入するつもりがあるかどうかはわかりません。そこには考えなければならないリスクがあります」。

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(文:Jordan Crook、翻訳:Yuta Kaminishi)

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TechCrunch Japan

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