ノーコードでビジネスインテリジェンスダッシュボードを作れるIndexが2.7億円を調達

Index(インデックス)の創業者であるXavier Pladevall(ザビエル・プラデバル)氏とEduardo Portet(エドゥワルド・ポルテ)氏は、ドミニカ共和国出身の幼馴染同士だ。米国の大学に入学した2人は、2019年に技術者ではないユーザーが、コーディングなしでビジネスインテリジェンス(BI)ダッシュボードを構築できるようにするためのスタートアップを立ち上げることを決めた。

米国時間10月20日、彼らはその開発の夢を続けるために、David Sacks、Slack、Gradient Ventures、 Y Combinator およびその他の個人投資家から260万ドル(約2億7000万円)のシード投資を受けた。

この投資を惹きつけたのは、エンジニアやデータアナリストなどの専門家の助けを借りずに、データダッシュボードを簡単に構築できるようにすることに情熱を注ぐ、2人の若い創業者の力に他ならない。

「基本的に私たちが行っているのは、企業がなるべく少ないコードや技術的な知識だけで、ビジネス指標のダッシュボードを構築できるようにすることです。その副産物は、社内の誰もが自分のチームのために独自のメトリックを構築できるようになることです」とTechCrunchに語るのは共同創業者のザビエル・プラデバル氏だ。

エンドユーザーは増え続けるデータソースのリストにアクセスすることが可能で、Indexはデータサイエンティストやデータアナリストの助けを借りずに、問い合わせの作成とユーザー向けのデータの表示を扱う。いまのところこれには、SalesforceやHubspot for CRMのデータ、Stripeの支払いデータ、そしてPostgresやMongoDBといった特定のデータベースが含まれている。

Indexの共同創業者のザビエル・プラデバル氏(左)とエドゥワルド・ポルテ氏(右) 。(画像クレジット:Index)

創業者たちは製品の開発にあたって、身軽であることを選んだ。2人の創業者とおそらく2人程度の追加エンジニアだけで進めるつもりだ。「実際に2名のフルタイムエンジニアの雇用を検討しています。そのことが私たちをシリーズAへと向かわせることになるでしょう。私たちはそれを投資家のみなさんに明言しています」とプラデバル氏はいう。

ラテン系移民の創業者として、彼らは多様で包括的な会社を作りたいと考えている。彼は、創業者の2人が有色人種を見つけることはそれほど難しくはないだろうと語った。なぜなら彼らはうまく関わることのできる多彩な人びとのネットワークの中で、友情を育んできたからだ。

「私たちがやるべきことは、今行っていることを継続することです。つまり、さまざまな人たちと友人になることです。なぜならそれが誠実なやり方だからです。一般的に単に多様性指向型の会社だというよりも、他の人たちに本当に多様性を実現しようとしていることをわかってもらいやすいからです」とプラデバル氏はいう。

2人の創業者とその家族は、彼らが子供の頃から友人だった。ドミニカ共和国で育った彼らは、コンピュータサイエンスの授業を受けることはできなかったが、インターネットにアクセスすることはできた。そしてこの記事のような米国の技術出版物を読んでスタートアップに夢中になり、YouTubeの動画やStackOverflow(スタックオーバーフロー)からコーディングを学んだ。彼らは2人とも米国の大学に入学し、大企業でインターンを行った。インターン先は、プラデバル氏はFacebook(フェイスブック)、ポルテ氏はニューヨークのMetadata(メタデータ)だった。

彼らのスタートアップのアイデアのきっかけとなったのは、プラデバル氏がフェイスブック社内用の似たようなツールを作っていたチームの一員となったことだった。彼はフェイスブックのようなリソースを持たない企業にとっても、それが商業的に実現可能アイデアだと考えたのだ。彼は幼馴染を誘い、パンデミックが迫る2020年1月に会社の設立を始めた。

彼は今年は苦労してきたことを認めているが、他に何もすることがなかったので、彼らが仕事に集中すること点では最適だったという。銀行に260万ドル(約2億7000万円)を持っていることに驚きを見せつつも、移民創業者の精神の一部だと彼が信じている「渇望」を、2人はまだ持っているのだと彼はいう。

「それは、自分自身を証明したいという渇望なのです。そのためにもしコーディングが必要なら、コーディングの方法を学びます。そしてそれが、数百万ドル(数億円)を調達してYCを卒業することよりもはるかに難しい(それはもちろん個人的な意見だけれど)ビザの申請手続きだとしても(きっとそれをやり遂げるでしょう)」と彼は語った。彼は、つまり必要なことは何でもやるということなんだという。

2人の友人同士が会社としての最初の一歩を踏み出したときには、彼らにはすでに初期の顧客が何人かいて、彼らは引き続き製品を改良し続けている。今回の資金調達とともに、彼らは2021年に向けた高い目標を掲げている。それには製品を成長させること、ARR(年間経常収益)で100万ドル(約1億円)に達すること、ダッシュボード用の配布パッケージを開発することなどが含まれる。

もしそれらの目標を達成することができれば、シリーズAを行うことができるはずだとプラデバル氏はいうが、私もそう思う。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Index資金調達

画像クレジット:Intpro / Getty Images

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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