ハイブリッドITのオペレーションを助けるOpsRampが40億円超を調達

企業のITチームによる、ハイブリッド環境の理解と監視、管理、そして最も重要な項目である自動化を支援するOpsRampが米国時間1月30日、Morgan Stanley Expansion Capitalがリードする3750万ドル(約40億9100万円)の資金調達ラウンドの完了を発表した。これには、前からの投資家であるSapphire Venturesと新たな投資家Hewlett Packard Enterpriseが参加した。

OpsRampのこの前の資金調達は2017年で、そのときはSapphireが2000万ドルのシリーズAをリードした。

OpsRampのサービスの中核は、そのAIOpsプラットホームだ。このサービスは機械学習とそのほかの技術を利用して、近年ますます複雑性を増しているインフラストラクチャのデプロイとその管理を支援し、インテリジェントなアラートを提供するとともに、最終的にはチームのタスクの多くを自動化する。同社のプロダクトにはさらに、クラウドのモニタリングやインシデント管理のツールも含まれている。

同社によると、その年商は2019年に前年比で300%増加した(ただしその額は非公表)。顧客は1400社あり、またAWSやServiceNow、Google Cloud Platform、およびMicrosoft Azureなどのクラウドベンダーをパートナーにしている。

OpsRampの共同創業者でCEOのバルマ・クナパラジュ氏

共同創業者でCEOのVarma Kunaparaju(バルマ・クナパラジュ)氏によると、顧客企業の多くは大企業と中規模企業だ。同氏によると「これらの企業のITチームは大きくて複雑なハイブリッド環境を抱えていて、その単純化と一元化に苦労している。しかも、そういう思いとは裏腹にシステムとインフラストラクチャはますます分断化し、バラバラになっている。それでもなお、彼らは弊社のパートナーであるクラウドベンダーたちの成功に倣って、自分もFortune 5000社のグローバル企業の一員を目指したいと願っている」。

クナパラジュ氏によると、同社は今回の資金をマーケティングと製品開発の拡充に充てたいと考えている。「資金は主に、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋などへの市場拡大に使いたい。ただしもちろん、北米におけるプレゼンスの拡張も重要だ。また、さまざまな方向性の製品開発にも力を入れたい」と続ける。

ハイブリッドクラウドは企業のITの負荷を増大し、利用するツールも増えるから、それを助けるOpsRampのようなスタートアップに投資家が着目するのも当然だ。今後このような投資案件は、さらに増えるだろう。

Hewlett Packard Pathfinderのトップで副社長のPaul Glaser(ポール・グレイザー)氏は 「我々も顧客企業のハイブリッドインフラストラクチャへの移行が増えている。そういう傾向に合わせて、OpsRampはITのオペレーションを管理するサービスとして差別化を図っており、それは弊社HPEの中核的戦略にもよく沿うものだ。OpsRampのプロダクトのビジョンと顧客企業からの支持を見ると、今は彼らの成長と拡大に投資すべき絶好のタイミングだ」と語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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