パンデミック下でも消費者のブランド意識を把握するアプリのStreetbeesがシリーズBで40億円調達

Streetbees(ストリートビーズ)は、消費者がスーパーマーケットの商品棚の写真を撮って報酬を受け取るアプリだ。消費者向けブランドは、スーパーマーケットが自社商品を本当に目立つ位置に置いているのかどうかを知りたがっている。そしてこのスタートアップはすぐに気づいた。消費者に自分自身がブランドについてどう感じているかを問いただすことで、アプリを消費者行動の追跡に使えるのではないだろうか。パンデミックの中、各ブランドは家にいがちな消費者の立ち振舞を知るこうしたツールを必要としている。

米国時間10月28日、StreetbeesはシリーズBラウンドで3000万ポンド(約40億円)を調達し、同社の調査プラットフォームの強化を図ることを発表した。現在同社は3500万人の消費者メンバーを抱えており、彼らはアプリでブランドに接した「その瞬間」の感情と状況を捉えて報告することで、少額の報酬を得る。ほとんどの判断はオンラインではなくオフラインで行われるため、これはオフライン世界を視覚化し検索可能にする独自の方法だとStreetbeesはいう。

今回のラウンドをリードしたのはLakestarで、他にLatitude、Atomico、GMG Ventures、Octopus Venturesらが参加した。世界の消費者商品企業トップ10のうち、PepsiCo(ペプシコ)、Unilever(ユニリーバ)、Procter & Gamble(プロクター・アンド・ギャンブル)を含む8社がStreetbeesを利用している。その市場規模は3000億ポンド(約40兆円)と推定されている。

StreetbeesのCEOであるTugce Bulut(トゥーグチェ・ブルート)氏は声明で、「Streetbeesは世界初の人力情報プラットフォームを作っていて、完全独自のデータセットを使って消費者が自分の言葉で語ったオフラインの瞬間をインデックス化しています。この調達ラウンドによって私たちは検索可能な世界の創造を加速します。そこではブランドが人間の行動を解読し、消費者がそのように行動する本当の理由をついに解明できるのです」と語った。

LakestarのパートナーであるChristoph Schuh(クリストフ・シュー)氏は次のように語った。「このシリーズBラウンドをリードし、Streetbeesの成功への旅をともに進めることは大きな誇りです。消費者調査市場は、寡占状態にある数少ない古典的業者が大部分を支配し、ほとんど革新がありませんでした。Streetbeesは世界規模の消費者ベースと常時接続する画期的な方法によって、進化するニーズと行動を迅速かつ正確に理解します。世界的な新型コロナのパンデミックによる不確定性は、生データを顧客情報とすぐに利用できる洞察へと転換するリアルタイム分析ツールの価値と必要性を明らかにしました」。

LocalGlobe & Latitudeのゼネラル・パートナーであるGeorge Henry(ジョージ・ヘンリー)氏はこう語った。「Boombergが金融市場の最新情報を必要とするプロフェッショナルの第一選択プラットフォームになったのと同じように、Streetbeesは急速に変化する消費者市場をリアルタイムにアクセスする必要のあるブランドにとって、市場調査のデファクトスタンダードになると、私たちは常に思っています」。

そしてGMG Ventures LLPのマネージング・パートナーであるAlan Hudson(アラン・ハドソン)氏は次のように話した。「現在の市場環境の下、ブランドは消費者の実生活を洞察するための情報を定性的、定量的、リアルタイムかつ大規模に収集することがこれまでになく必要です。Streetbeesの持っている熱心な消費者のグローバルネットワークとAIベースプラットフォームは、顧客にその洞察を提供し、戦略的、実践的両方のレベルで意思決定を支援します」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Streetbees資金調達

画像クレジット:Streetbees

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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