ヒュンダイの全電動車IONIQ 5は決済システムを搭載

Hyundai(ヒュンダイ)が開発した車載決済システムは、次期電動クロスオーバー「IONIQ(アイオニック) 5」に搭載され、EVの充電や食事、駐車場などの料金を払えるようになる。これは、自動車メーカーが収益を上げるための新しい方法として、通常はスマートフォンに付随する機能を顧客に提供していうる最新の例だ。

IONIQ 5の北米地区発売は2021年秋を予定しているが、米国時間5月24日に行われた同社発表によると、決済システムに最初から登録されているマーチャントはDominoes(ドミノ・ピザ)と電子駐車サービスのParkWhizと充電サービスのChargehubだ。IONIQ 5の北米デビューではさまざまな機能が搭載されるが、車載決済もその1つとなる。

決済システムはヒュンダイ自身の車載インターネット接続システムBluelinkから利用する。Bluelinkからさまざまなクルマの機能やサービスをコントロールできるが、サブスクリプション契約が必要だ。3種類のパッケージがあり、それぞれクルマのメンテナンスとアラート、リモート天気予報、アンロックとロック、目的地検索などのサービスにアクセスできるようになる。またBluelinkでユーザーのスマートフォン上のGoogleアシスタントの機能にリンクして、情報をクルマに送ることもできる。

この車載決済システムは今後、課金をともなうその他の企業にも拡張される。ドライブスルーの食べ物やコーヒー、駐車などがその候補だ。ヒュンダイの広報担当者によると、新しいマーチャントの登録はXevo Marketplaceから今後定期的に行われるという。

IONIQ 5は、E-GMP (Electric-Global Modular Platform) という新プラットフォーム上に構築された同社初のバッテリー電気自動車だ。このプラットフォームはKia(起亜自動車)と共有されており、新しいEV 6のプラットフォームにもなっている。

聞いたことがある名前だ、と思う方もいるかもしれないが、それは「IONIQ」という名称が以前から存在するからだ。ヒュンダイは2016年に、IIONIQと名づけたハッチバックを、ハイブリッド、プラグインハイブリッドそして電気自動車という3つの型式で発売した。この韓国の自動車メーカーは、その車種を新たなEVブランドへの跳躍台として使っていた。

今後IONIQブランドの車種はすべて、E-GMPのプラットフォームが使われる。IONIQ 5はヒュンダイのConcept 45がベースで、それは同社が2019年にフランクフルトの国際モーターショーで公開されたモノコック風ボディのクロスオーバーだ。コンセプト45のデザイナーは「ヒュンダイの最初のコンセプトである1974年の『Pony Coupe(ポニー・クーペ)』のラインや特徴の一部を参考にしました。『45』という名称は、車両のフロントとリアの角度が45度であることにも由来しています」と語っている。

ヒュンダイはまだ、IONIQ 5の価格を発表していない。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Hyundai電気自動車決済

画像クレジット:Hyundai

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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