ビジネスSNS「Wantedly」がオープン化、自社サイトで潜在転職者にリーチ

ウォンテッドリーの仲暁子社長
クックパッドの採用ページに「話を聞きに行きたい」を設置した画面

クックパッドの採用ページに「話を聞きに行きたい」を設置した画面

日本経済新聞から約1億円の資金調達を発表したウォンテッドリーが、ビジネスSNS「Wantedly」のプラットフォームをオープン化する。第一弾としてAPIを公開し、外部サイトに「話を聞きに行きたい」ボタンを設置できるようにする。まずはサイバーエージェント、クックパッド、ヤフー、ディー・エヌ・エー(DeNA)の4社が導入し、年内をめどにすべての企業に開放する予定。

話を聞きに行きたいボタンは、求職者がWantedlyで気になった企業にエントリーするための機能。エントリーしたからといっても必ず連絡が来るわけではなく、企業側が気になった求職者にのみ招待メールが届く仕組み。一般的な転職サイトは求職者が毎回プロフィールや経歴を企業ごとに入力していたが、それが不要な分、気軽に応募できるというわけだ。

「話を聞きに行きたい」ボタンをクリックするだけでエントリーが完了する気軽さが特徴だ

「話を聞きに行きたい」ボタンをクリックするだけでエントリーが完了する気軽さが特徴だ

外部の企業は今後、JavaScriptを一行ホームページに挿入するだけで、話を聞きに行きたいボタンを自社サイトに導入できるようになる。採用担当側としては、従来の応募フローには乗って来なかった潜在転職者であったり、採用フローが面倒で離脱してしまったような転職者とも出会えるのがメリットだと、ウォンテッドリーの仲暁子社長は話す。

「イケてるエンジニアって、会社に遊びに来ているうちに選考に進んだりすることが多いじゃないですか。『話を聞きに行きたい』もそういった世界観。今回導入した企業からは、Wantedlyのボタンがあるからこそコンバージョンするケースがありそうと評価してもらっています。」(仲氏)

ウォンテッドリーの仲暁子社長

ウォンテッドリーの仲暁子社長

オープン化戦略の第一弾としてはこのほか、企業が社内の活動や告知をWantedlyに投稿する会社フィード機能を自社サイトに導入できる「会社フィードボックス」を公開した。会社フィードは昨年7月にリリースし、1000社が利用している。求職者としてはWantedlyの募集要項だけでは伝わりにくい会社の様子がわかり、企業としては社内の雰囲気を潜在候補者に対してカジュアルにアピールできるようになる。

Wantedlyは2011年2月に公開し、累計で1万社が登録。ウェブ業界を中心に、毎月約60万人がサイトを訪問している。4月には、名前や社名を入力するだけでWantedlyユーザーが検索できる「Sync」をリリースするなど、ビジネスSNSとしての側面を強化中だ。日経新聞との提携は詳細が明かされていないが、両社のIDを連携させればウェブ業界以外のユーザーにもリーチできるかもしれない。仲氏は「働くすべての人のインフラを目指す。そのためには、働く人が読んでいる日経は私達の強力な助っ人になる」と話している。

会社フィードボックスではWantedlyの募集要項だけでは伝わりにくい会社の様子をアピールできる

会社フィードボックスではWantedlyの募集要項だけでは伝わりにくい会社の様子をアピールできる

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。