ビッグデータ内の、顧客のプライベート情報を横断的に識別するBigIDが、シリーズAで1400万ドルを調達

データのプライバシーがますます重要な概念となっている。特にEUのGDPRプライバシー法が発効する5月になると、企業は顧客の個人情報を把握する方法を見つける必要がある。BigIDはその解決法を持つと主張し、そのアイデアをより成長させるために、本日(米国時間1月29日)1400万ドルのシリーズA調達を発表した。

Comcast Ventures、SAP(SAP.io経由)、ClearSky Security Fund、そして同社のシードラウンド投資家の1つであるBOLDstart Venturesがこの調達に参加した。ラウンドは先週終了している。2016年に行われた210万ドルのシードラウンドに、今回の調達が追加され、調達額は合計で1610万ドルになった。

CEO兼共同創業者のDimitri Sirotaは、企業はデータで何かをする前に、持っているものを把握しなければならないと語る。したがって、出発点となるのは、まず実際にデータを移動することなく、保護する必要があるプライベートデータタイプのカタログを作成することだ。

「私たちのことは『データのためのGoogle』と考えて下さい。情報のインデックスを作成し、どの情報がどのエンティティに属しているのか、データのテーマ(など)を把握しますが、それらはすべて仮想的に行われます。データのコピーは行いません。もともとあった場所に留まります」とSirotaは説明する。

同社は複数のビッグデータストアを検索し、異なるソース間で個人のプライベート情報を発見し、ソース間の関係をマッピングし、異なる地域間でデータがどのように流れるかを観察して、顧客がローカルのデータプライバシー規則を遵守することを助けることができる。

また彼はこのソリューションは、MongoDBやCassandra、あるいはAWSやAzureなどのクラウドサービス、もしくはSAPなどのエンタープライズソフトウェアパッケージなど、さまざまなデータフォーマットを標準でサポートしているという。また、サポートされていないデータストアに接続するために、顧客がカスタマイズできる汎用コネクタも用意されている。通常、新しいデータソースを追加するには数週間必要だ。Sirotaによれば、BigIDはサポートするデータタイプの拡張にも常に取り組んでおり、定期的に製品をアップデートしているということだ。

このソリューションは、Dockerイメージとして配信されるサブスクリプションモデルで提供される。これまでのほとんどの顧客は、ファイアウォールの内側にそれをインストールしている。

BigIDを使用して、データストア間で顧客情報の関係をマッピングできる。写真:BigID

同社のデータ識別およびコンプライアンスソリューションは、GDPRのコンプライアンスルールとよく対応するが、Sirotaはコンプライアンスの問題だけを解決しようとしているわけではないと言う。彼らが構築を目指しているのは、企業が「顧客のプライベート情報をより良く管理する」ことを助けるための製品なのだ。

同社は2016年3月に最初のエンジニアを雇用し、2016年4月にはGDPR規制が可決された。ある種のセレンディピティが、同社がGDPRに準拠したものを構築することを助けた。「私たちは、製品を明示的にはGDPRソリューションとは呼んでいませんが、多くの要件はカバーしています」とSirotaはTechCrunchに語った。

同社はまだ若く、16人の従業員がニューヨークとテルアビブ(エンジニアリング部門)のオフィスに別れて勤務している。今回の資金調達で、今年は従業員数を増やす予定だ。

同社は現在、約2ダースの初期顧客を抱えている。Sirotaはその名前を挙げることはなかったが、その中にはダウ30に属する会社、大規模ウェブ企業、そして大規模システムインテグレーターが含まれていると語った。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: BARANOZDEMIR/GETTY IMAGES

投稿者:

TechCrunch Japan

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