ビデオカメラ本体に画像安定化機能を持たせると称するSteadXP、Kickstarterで50万ユーロを獲得

steadxp

スマホなどの手持ちのカメラでビデオを撮れることは、とても便利に思えるけど、それを編集のために再生したときは、たいがい、がっくりする。ぐらぐらする映像は目の裏が痛くなるし、なんとか仕上げるまでに無限の時間がかかりそうだ。でもこれからは、SteadXPがあれば大丈夫かもしれない。

やり方は簡単だ。SteadXPをカメラのホットシューに取り付けて、ふつうに撮影を開始する。カメラが内蔵している加速度計がカメラの動きを捉え、それとビデオのコンテンツをシンクする。映像を記録するとき、カメラが動いたぶんを逆方向に補正する。そうすると、お見事!、完全に安定した映像になる。それが、フランスのモンボノ=サン=マルタンのSoftware Magicが発明したマジックだ。

いや、少なくとも、理論的にはそうだ。CESで見たデモはかなり良かったが、でも実は、過去に何千回も未解決のままだったのは、画面のぐらつきという問題ではなかったようだ。最近ではますます多くのカメラに、光学式あるいはデジタルの、画像安定機能がある。また、どんなにベーシックな画像安定化ソフトやアプリにも、必ずその機能はある。本格的なポストプロダクションシステムともなれば、大量のAIを利用している。

しかしこれらのソリューションすべてに共通する問題は、ビデオを正しく撮るためにはフレームレートに合ったシャッターアングルを目指すべき、ということだ。これをもっとふつうの言葉で言えば、ビデオカメラは、やや長めのシャッタースピードで撮っている、ということ。30fpsなら、1/60秒が動きがなめらかになる最適のシャッタースピードだ。でも写真的には、1/60秒では動きがぶれる。それはパンやズームでは正しく見えても、アクションの連続では個々のフレームがややぶれる。SteadXPのようなプロダクトは、ひとつのフレームとその前のフレームを整列するが、その過程で導入されるカメラのぶれについては何もできない。そしてそのせいで、安定化した映像がなんだかおかしく見える。

上のややこしい説明を単純化して言えば、“けっこうなアイデアだけど、これが手ぶれという問題をどうやって解決するのか、理解できないね。最初から、三脚やSteadicamのリグを使うべきだよ”、となる。

なお、公平を期すために言っておくと、このSteadXPという製品はKickstarterで50万ユーロあまりを集めているが、その合計2280名強の支援者たちは〔==支援をしたということは〕、ぼくのこの評価が間違っていると信じているのだろう。どっちが間違っているのか、同社のWebサイトには実例がたくさんあるから、読者はぜひ、ご自分でご判断を!

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。