ビデオ会議ソフトmmhmmが夏に向かって大量の新機能を発表

Phil Libin(フィル・リービン)氏とAll Turtlesが開発したコミュニケーションプラットフォームmmhmmに、さまざまな新機能が加わる。現在のビデオコミュニケーションは、リアルの世界のさまざな要素を表すだけでなく、それらを超えている部分もあるとリービン氏はいう。

その超えている部分を、mmhmmの新バージョンは提供するつもりだ。

目玉機能であるmmhmm Chunkyでは、プレゼンターが自分のスクリプトとプレゼンテーションを複数の塊、すなわち「chunk(チャンク)」に分割できる。プレゼンターを、スライドデッキに収まっている複数のスライドと考えるとよい。1つ1つのチャンクは完全にエディットでき、細部を仕上げることもできる。mmhmmのユーザーは、自分のプレゼンテーションを複数のチャンクに分割し、そのそれぞれの情報を完成できる。

プレゼンターはプレゼンテーションの間に、ライブと録画済みのチャンクを切り替えることができる。たとえば売り込みを行っているセールスマンなら、口頭で価格を言った後に、動画でその詳しい説明をするといいかもしれない。教師は授業の内容をライブで話しながら、ときどき個々の話題に関する動画を見せるといいだろう。

しかもmmhmmは、コンテンツを作る側だけでなく、それを消費する側のことも考えている。オーディエンスは、いろいろなチャンクやスライドを行き来して話を良く理解したり、あるいは早送りで時間を節約することもできる。プレゼンターは、プレゼンしているときやその後で、オーディエンスが今どこにいるかわかる。

リービン氏はこの機能を、時間をスーパーチャージする方法だと考えている。

「mmhmmでは、完全に分散したチームの同期アップデートをやめました。効率が悪いので、それぞれが自分の番がきたら話すという効率が悪いミーティングを行う必要はありません。チームは簡単なプレゼンテーションを送信するだけで、私はそれを倍速で見ることができます。なぜなら、人は話すより聞く方が速いからです。それを同時に行う必要はありません。重要なことをライブでやりとりするときだけにしています」とリービン氏はいう。

mmhmmは、同社独自のビデオプレイヤーを開発したことも発表した。それによりユーザーは、自分のmmhmmでのプレゼンを、どんなウェブサイトにもストリーミングすることができるようになる。なおmmhmmは従来どおり、ZoomやGoogle Meetなどと同時に使える。

新機能のリストにはCopilotのアップデートもある。Copilotでは、ある人がプレゼンをして、別の人がバックグラウンドからの別のプレゼンを「操作」したり「アートディレクション」したりできる。Copilot 2.0では、その2人が横並びして、好きな環境でビデオチャットできる。

リービン氏が披露してくれたプレゼンテーション、会話では、相手もリービン氏の家にいるような感じになる。この機能は1対1の会話に適しており、特に炉辺談話のような大勢のオーディエンスが前にいるときの1対1会話に最適だとリービン氏は説明してくれた。

mmhmm ChunkyとストリーミングとCopilot 2.0などに加えて、同社は構成をすっきりさせるための春の大掃除も行った。まず、ユーザーはPresentation Libraryで自分のベストテイクを保存してまとめることができ、「Loaf」を使ってすべてのベストビデオとプレゼンテーションを後日の全社的利用のために保存できる。また改良されたPresetsでは、多くのスライドや、プリセットとプリセットの間に、一度にプリセットを適用するのが容易になった。

他にも、mmhmmのiOSアプリとAndroidアプリがもうすぐ登場する。Windows版は、ベータを終了した。

リービン氏の説明では、発表した新機能やアップデートがすべてすぐ利用可能になるわけではない。夏になるまで、毎週少しずつ出てくるという。キーノートは、ここで行われた(日本時間5月28日午前2時)。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:mmhmmビデオ会議プレゼンテーションオンラインプレゼンテーション

画像クレジット:mmhmm

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(文:Jordan Crook、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

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