ビル・ゲーツ、マイクロソフト技術アドバイザーに「ステップ・アップ」。祭り上げられたのか、飛躍なのか?

Satya NadellaのMicrosoft次期CEO就任のニュースと共に、もう一つ大きく変ったのが、経営陣の階層だ。Microsoftの共同ファウンダー、Bill Gatesは、会長の座を退き、新たに「ファウンダー・技術顧問」の責務を担う。Microsoftはこの変更を、以前の職務からの「ステップ・アップ」と説明しており、Gatesが再び同社内で積極的役割を担うことを示唆した。

2012年2月に取締役に就任し、現在筆頭社外取締役であるJohn Thompsonが、新会長となる。

Microsoftは、Gatesが「これまで以上の時間を会社に注ぎ込み、テクノロジーおよび製品の方向付けでNadellaをサポートする」と言った。Gatesは引き続き取締役会に所属する。
「Microsoftにおけるチャンスは以前よりも大きい」と、今日公開されたビデオ・アナウンスメントでGatesは話した。

ビデオ中Gatesは、クラウドテクノロジー、モバイル等の分野を強調した。自分の時間の1/3は製品グループと話す時間に使う、と彼は言っている。「Satyaが私にステップ・アップするよう言ってくれたことを大変喜んでいる」とGatesは言い、「一緒に新しい製品を作るのは楽しい」と付け加えた。

Microsoftの事情を知る人にとって、Gatesの行動は驚きではない。新たな指導者への引き継ぎの一環として、つい昨日、社内でGatesが製品開発におけるより積極的役割を担うであろうと報じらていた。少なくとも週に1日はMicrosoftで過ごすが、経営業務に関わる時間は少なくなるという。

一方、Steve BallmerがCEO辞任を公表してから今日までの間に、Gatesは会長を退任し、Microsoftの開発体制から古いアイデアを一掃するべきだとする議論もあった。

明らかでないのは、果たしてGatesの新しい役職が、彼を会長から退かせようとする圧力の結果なのか、それとも、より積極的役割を与えることによって、彼に再び同社の未来戦略に関わらせようというGatesと会社の純粋な関心によるものなのかである。別の言い方をするなら、彼は祭り上げられたのか、それともチャンスに飛び乗ったのか。

私の分析結果は後者を支持している。われわれはGatesがここしらく、同社の製品およびM&Aに関する極めて戦略的な活動に関与していると聞いている。そして、Gatesの退任を求める人々がいた一方で、GatesをCEO候補にというアイデアを推進してきた人々もいる。

Microsoftで以前より積極的役割を果たすことは、同社の共同ファウンダーにとって興味深い転機となるだろう。

過去数年間、Gatesは多くの時間と努力と金銭を、妻メリンダと共に立ち上げた慈善ベンチャー、および関連する投資に注いできた。また彼は、維持可能エネルギーや医療技術等の分野に特化した投資ポートフォリオも持っている

Microsoft取締役会のメンバーは以下の通り:Satya Nadella; Steve Ballmer; Dina Dublon(元JPMorgan Chase CFO); Bill Gates; Maria M. Klawe(Harvey Mudd Collegeプレジデント); Stephen J. Luczo(Seagate Technology PLC会長兼CEO); David F. Marquardt(August Capitalジェネラルパートナー);Charles H. Noski(Bank of America Corp.元会長); Dr. Helmut Panke(BMW Bayerische Motoren Werke AG元経営委員会会長); およびJohn Thompson(Virtual Instruments CEO)。

取締役10名中、7名が外部であり、これは実質的過半数を外部とする同社のガバナンス・ガイドラインに沿っている。

GatesがNadella新CEOを推薦するビデオを下に貼った。

写真:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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