フィンランドの広告スタートアップ、Smartly.io、既存株式売却で資金調達――2000万ドルでアメリカ進出へ

フィンランドの首都ヘルシンキを本拠とするSmartly.ioはFacebook広告プラットフォームを通じてマーケティングの自動化を狙うスタートアップだ。同社は今日(米国時間9/19)、発行済株式の売却によって2000万ドルの資金を調達したことを発表した。これは既存株主の株式をヨーロッパのベンチャーキャピタルのHighland Europeに売却するという方法で実施された。

2013年創業のSmartly.ioのファウンダー、CEOのKristo Ovaskaは「われわれは2年前からすでに黒字化している」と述べた。同社の株式はファウンダー、エンゼル投資家、社員が所有していた。そのため今回のラウンドはSmartly.ioに対して会社の売却あるいは上場による現金化の道を探るという圧力を与えずにファウンダーらの株式を現金化し、報酬に充てる効果があった。

Ovaskaは「Highland EuropeはアメリカのHighland Capital Partnerと密接な関係のあるベンチャーキャピタルだ。Smartly.ioはアメリカ市場を始めとする各国市場への進出を計画しており、HighlandはSmartlyの経営のグローバル化、進出先での企業買収などのアグレッシブな成長戦略やその資金づくり助けるだろう」と付け加えた。

Facebook Marketing PartnerはFacebookが開発したプラットフォームで、Facebookが審査、選定した企業のマーケティングを助ける。Smartly.ioのツールはブランドの商品画像から自動的にバナーやビデオによる広告を作成し、、Facebookに出広する。Smartlyはまたオーディエンスのターゲティングや出広のタイミングや表示先など広告予算の運用も独自に決定する。

Smartly.ioは最近、通年換算で10億ドルの広告予算を処理していることを発表した。現在、Smartlyのプラットフォームを利用しているブランド、広告代理店の数は500社以上で、eBay、JustFab、Zillow、SkyScanner、Lazada、Deliverooなどの有名企業が含まれる。【略】

「Smartly.ioの社員は150人だが急速に拡大中だ。Highlandはアメリカにおける有望なカスタマー候補企業をリストすることに十分な経験がある。顧客獲得だけでなく人材採用も助けるだろう」とOvaskaは述べた。【略】

Smartly.ioのカスタマー・サポートはすべて同社の社内で行われる。社員のほとんどはプログラミングの経験があり、CEOのOvaska自身も自ら毎日何時間かカスタマー・サポートを行っている。Ovaskaはカスタマー・サービスの充実が他のマーケティング自動化ツールに対するSmartly.ioの競争力の源泉だとしている。

Smartly.ioはシンガポールにもアジア太平洋地域のカスタマーのためのオフィスを開設しているが、もっとも重要な市場はいうまでもなくアメリカだ。

「アメリカ市場の成長可能性は非常に大きい。Facebookプラットフォームに向けられている世界の広告予算を見ると、アメリカ市場はその他の地域をすべて合計した以上の金額となっている。同時にもっとも成熟した市場でもある。われわれはアメリカを中心に投資していく」とOvaskaは述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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