フェイスブックがクリエイターを呼び込む約1100億円のボーナス報酬プログラムを発表

Facebook(フェイスブック)は、同社アプリのエコシステムにクリエイターを繋ぎ止めるための新たなボーナスプログラムを通じて、2022年末までに10億ドル(約1100億円)以上をコンテンツクリエイターに支払う計画を発表した。Facebookの創業者兼CEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、自身のFacebookページで「すばらしいコンテンツを提供してくれるクリエイターに報いる」ための新たな資金調達について初めて公表した。

同社は、FacebookとInstagram(インスタグラム)にまたがる一連の新しいボーナスプログラムを通じてクリエイターに報酬を支払う予定で、これらのプログラムは「季節ごとに変わり、時間をかけて進化、拡大していく」という。このボーナスプログラムは、2021年夏の後半にはInstagramアプリ内に、年内にはFacebookアプリ内に専用ハブが設置される予定だ。

Facebookは、Facebook上でインストリーム広告を有効にして動画を制作しているクリエイターに、最初の新ボーナスを提供する。また同社は、視聴者がストリーマーに投げ銭を送ってファン特典を得ることができる「Stars」システムによるボーナスも拡大していく。動画やゲームのライブストリーミングを行っているクリエイターは、2021年10月までの間、Starsを介して支払いを送った視聴者の数に応じて、毎月ボーナスを受け取ることができる。

なお、Instagramでは独自のボーナスを導入する予定だが、これは最初は招待制となっている。今後数週間のうちに、米国のクリエイターはIGTV広告を有効にすることで、1回きりのボーナスを受け取ることができる。その他のボーナスは、TikTok(ティックトック)の短編動画の成功に対するInstagramの回答であるReels(リール)の作成や、Instagram Live(インスタライブ)で特定のマイルストーンを達成したクリエイターに与えられる。

Facebookがクリエイターへの支払いに乗り出したのは、TikTokと競合するプロダクトを現金でジャンプスタートさせようとする最新の取り組みにすぎない。Snapchat(スナップチャット)は、同社の短編ビデオ製品「Spotlight」で最も人気のあるビデオに毎日100万ドル(約1億1000万円)支給している。YouTubeは、TikTokのクローンである「YouTube ショート」のために、独自に1億ドル(約110億円)の資金を用意している。

TikTok自体も2020年、2億ドル(約220億円)のクリエイターファンドを立ち上げているが、同アプリはあまり心配する必要はなさそうだ(今はまだ)。SensorTowerのデータによると、TikTokは全世界で30億ダウンロードを突破した。これまでこの数字を超えたアプリは、WhatsApp(ワッツアップ)、Messenger(メッセンジャー)、Facebook、Instagramなど、すべてFacebookが所有するアプリだけだった。

関連記事
TikTokが約214億円の米国のクリエイター向けファンドを発表
フェイスブックが音声SNS「Live Audio Rooms」とポッドキャスト向け新サービスの提供を米国で開始

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookInstagramクリエイター報酬マーク・ザッカーバーグ

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。