フェイル・ホエールのデザイナーによる、Twitterの歴史を辿るマトリョーシカ登場

「フェイル・ホエール」(Fail Whale)を覚えているだろうか。Twitterもいまや347億ドルもの市場価値を持つ公開企業となり、サイトが落ちてしまうこともほとんどなくなった。しかし数年前は、利用者の拡大にサービスが追いつかずに落ちてしまうことが頻繁にあった。サイトが使えなくなるのは苛立たしい状況ではあったが、その際に表示される8匹の鳥たちに運ばれる、なんだか満足気な白いくじらは大いに有名な存在となった。これをデザインしたのはYiying Luだ。

Twitterは苦難の歴史を乗り越え、フェイル・ホエールを見ることも少なくなった。そしてLuはTwitterの伝説を形作る5人をあらわすマトリョーシカを作成した。2月20日までに3万ドルの目標額が集まれば、Twitter利用者を示す一番大きな人形に入ったNoah Glass、Biz Stone、Jack Dorsey、Ev Williams、およびDick Costoloのマトリョーシカをゲットすることができる。

このマトリョーシカは(ファウンダーたちが入れ子になっていることから)Nesting Twitterと名付けられている。コンセプトを考えだしたのはDepartment of Reckless Abandon(DoRA)だ。Twitter社の公式グッズというわけではないが、DoRAのメンバーとファウンダー達との間には親交がある。DoRAのファウンダーであるThor MullerはValleyschwagの共同ファウンダーでもあり、2006年には当時はTwittrと呼ばれていたサービスの公開パーティーを主催してもいる。

このNesting Twitterで入れ子になったファウンダー達を見て、いろいろな思いをもつ人がいることだろう。アートワークの常として、この仕組みをどのように解釈するのかについては見る人に任せられている。Kickstarterのページには次のような記述がある。

見方によって歴史を感じさせてくれたり、争いを連想させたり、あるいは革新を感じる人や継続性を感じ取る人もいることでしょう。マトリョーシカはその形状の通り、いろいろなものを内包しているのです。人形にはそれぞれ自分自身を運んでいく鳥の姿が描かれていて、複雑な関係性を暗示するようにもなっているのです。

もちろん、Nesting Twitterにビジネス界における激しい戦いしか感じず、プロダクトにも興味を持てないという人もいることだろう。しかしせっかくの機会なのでLuの他の作品もチェックしてみてはどうだろうか。彼女はオーストラリアのシドニーで活動中で、作品紹介ビデオではQRコードをアート作品に仕上げる様子などが示されている。「多面性」ということが彼女のテーマなのかもしれない。

Nesting Twitterの早期割引(既に完売)額は60ドルとなっていて、ステッカーや限定ポスターなども用意されている。資金調達がうまくいけば、3月から出荷を開始する予定だとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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