フォード、前を走るテスラに追いつこうとEV投資を約5兆7730億円に増額

Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)は、EV事業向けの投資額を従来の2025年までに300億ドル(約3兆4645億円)という目標から、2026年まで500億ドル(約5兆7730億円)に引き上げる。このニュースは米国時間3月2日、Fordが2月上旬に行った2021年第4四半期決算説明会で触れたように、EV事業をガソリン車事業から分離し、独立採算制にすることを確認した後、Jim Farley(ジム・ファーリー)CEOが発表した。

Fordが電動化投資額を引き上げるのは、この1年足らずで3回目となる。Fordは2021年5月にEV事業に220億ドル(約2兆5378億円)を投資することを発表しており、業界のリーダーであるテスラに追いつくために、財務的な強化を続けていることを示している。

Fordは「Ford Model e(フォード・モデルe)」と名付けた新しいEV事業を通じて、2026年には世界年間生産台数の3分の1に相当する200万台以上のEVを製造し、2030年までに総台数の50%を電動化する計画だとファーリー氏は述べている。ただし、John Lawler(ジョン・ローラー)CFOによると、次世代モデルの生産が始まる2025年までは利益を上げられない見込みだという。Ford Model eと、同社のより伝統的なICE部門であるFord Blue(フォード・ブルー)は、2023年までに別々の決算を報告する予定だ。

Fordは2022年、EVに50億ドル(約5768億円)を費やすと見込んでおり、これは2021年の倍である。

多くの業界アナリストは、FordがEV事業をスピンアウトすると予想しているが、ファーリー氏は、それが近いうちに実現することを示唆しなかった。しかし、それは将来的にその可能性がないということではない。

「ICE事業はキャッシュを生み出すために、EV事業はイノベーションにフォーカスするために必要なのです」とファーリー氏は語った。

Fordは2月に7万2000台の車両を受注し、前年同月の5万4000台を上回った。その大半はトラックとSUVだが、同社のEV販売台数は2月までに55.3%増加し、セグメント全体よりも速いペースで伸びているという。

画像クレジット:Ford

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Den Nakano)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。