ブレスト不要、1人で悶々と考えろ!LINE流「面白いプロダクト」の作り方


今日から札幌で開かれている「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」に来ている。初日には、LINE執行役員の舛田淳氏とヤフー執行役員の小澤隆生氏が登壇し、「次世代プラットフォーム革命」をテーマにしたセッションが開かれた。テーマとは若干離れるが、セッション内で両者が「面白いプロダクトの作り方」について語った内容が興味深かったので紹介しよう。

ブレストするな。1人で悶々と考えろ――。舛田氏によれば、LINEで新しいプロダクトを作る際には、社内で無駄に情報共有をしないように呼びかけているという。「プロジェクト間で連携しようとすると、『向こうではこれをやってるから』と身動きがとれなくなる。(木を見て)森を見ないと動くべきではないというが、全体の合意を取ろうとするとつまらなくなる」

1人で悶々と極限までプロダクトを考えたあとは、「早く、小さく始めて、ダメならばすぐに閉じることが大事」と舛田氏は語る。「すぐに閉じればダメージは小さい。ちょっと恥ずかしいけど。言ったことでも、ダメならすぐに撤退するのがイノベーションに必要なこと」

これに対して小澤氏は、面白いことや新しいことのほとんどは失敗するとの持論を展開。2012年4月に宮坂学氏が代表取締役CEOに就任し、社内で「10倍失敗しろ」というメッセージを発信してからは、「挑戦しないとダメだ」という空気が醸成されたのだという。

「9割は失敗するので、それを許す企業文化をいかに作るか」。小澤氏の言葉の通り、軽井沢の高級別荘を予約できる「Yahoo!トラベル 軽井沢の別荘特集」が4月16日のローンチから1カ月余りで閉鎖したことも明かした。「昨日閉じたんですよ。僕が華々しく始めたんですが、社内大騒然ですよ」。

さらに、ヤフーがイー・アクセスの株式取得を中止したことについて暗に触れ、「今週も大きな失敗があったんですが、よくないですよ、あれは!」と語り、会場をわかせる一幕も。ちなみに小澤氏はセッションで開口一番、「今週冒頭に大きなニュースがありましたが、広報からは『くれぐれもふざけるな』と言われている」と話していた。


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TechCrunch Japan

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