ブレット・テイラー氏がSalesforceの共同CEOに昇格

Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏はJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏と同じように取締役会会長に就任し第一線から退く準備ができているのではないかという憶測が以前からあった。そして噂では、Bret Taylor(ブレット・テイラー)氏が昇進するのではないかと言われていたが、ベニオフ氏はまだその準備ができていなかったようだ。テイラー氏は米国時間11月30日、Salesforce(セールスフォース)の共同CEOに昇格した。

社長兼最高執行責任者(COO)だったテイラー氏は、ベニオフ氏の直属ではなく、副会長兼共同CEOとしてベニオフ氏と一緒に働くことになった。2019年に157億ドル(約1兆7810億円)で買収したTableau(タブロー)や、2020年末にテイラー氏が陣頭指揮を執って277億ドル(約3兆1420億円)で買収したSlack(スラック)のような大型買収により近年大きく事業を拡大してきたSalesforceにとって、今回のテイラー氏の昇格は今後の運営に適した方法だとベニオフ氏は考えている。

カバーすべき領域はたくさんあり、1人ですべてを担うのはおそらく困難な仕事なのだろう。「私たちは新しい世界にいて、Salesforceは顧客にとってかつてないほど重要で戦略的な存在になっています。ブレットと私は、信頼、カスタマーサクセス、イノベーション、すべての人への平等という共通の価値観を大切にしながら、ともにSalesforceを次の章へと導いていきます」とベニオフ氏は(当たり障りのない)声明を発表した。

さすがのテイラー氏も、ベニオフ氏と並んで食物連鎖の頂点に立つ機会を得たことに感謝しているようだ。「22年前に彼が共同設立した会社を率いるために、彼とパートナーを組むことは非常に名誉なことです。Salesforceの社員、開拓者、顧客、そして会社と世界をより良い場所にするためにサポートしてくださるすべての関係者に感謝しています」とテイラー氏は声明で述べた。

Salesforceが共同CEOの手法を取るのは、今回が初めてではない。以前、Keith Block(キース・ブロック)氏が2018年からその役割を担い、2020年に退任した。

初期のソーシャルネットワークであるFriendFeed(フレンドフィード)でCEOを務めていたこともあるテイラー氏は、2009年から2012年までFacebook(フェイスブック)でCTOを務めていた。同氏は、Salesforceが2016年にQuip(クイップ)を7億5000万ドル(約850億円)で買収した際にSalesforceに加わった。そして他の長年の幹部を飛び越して、すぐに昇進した。2019年には社長兼COOに昇進し、今日までベニオフ氏のすぐ下に付けていた。

11月30日にTwitter(ツイッター)の独立取締役会長にも就任したテイラー氏にとっては、なかなかの1週間のようだ。

画像クレジット:Salesforce

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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