ブレンダン・アイク氏の画期的なブラウザーBraveの1.0版が登場

2014年に追放されるまでMozillaのCEOだったBrendan Eich(ブレンダン・アイク)氏が共同創設したBrave(ブレイブ)から、米国時間11月13日、バージョン1.0のブラウザーがWindows、macOS、Linux、Android、iOS用に公開された。ユーザーの選択権が奪われたブラウザー市場で、Braveは、強力なデフォルト設定でユーザーのプライバシーを守る確かな選択肢というポジションを決めている。同時にこれは、コンテンツの作者に報酬を支払える、暗号通貨中心のプライベートな広告や決済のためのプラットフォームでもある。

先月、同社が発表したように、現在は800万のアクティブユーザーがある。そのBrave  Rewards(ブレイブ・リワーズ)プログラムは、ユーザーとパブリッシャーとのオプトイン契約が必要だが、現在は30万のパブリッシャーが参加している。そのほとんどは、YouTubeやTwitterで少数のフォロワーを持つユーザーだが、ウィキペディア、ワシントンポスト、ガーディアン、スレート、LAタイムズのような大手パブリッシャーもこのエコシステムに含まれている。このシステムを使うと、すべてのパブリッシャーが望むわけではないが、ブラウザーは、ユーザーのブラウジングの習慣に応じて、プライベート広告のタブの中に、少数の広告を通知として表示する。するとユーザーは、広告主が支払った広告費の70%を受け取ることができる。ブレイブの取り分は30%だ。

ユーザーは、この広告を表示すると、ブレイブの暗号通貨であるBAT(ベーシック・アテンション・トークン)が獲得できる。それは自分で貯めてもいいし、パブリッシャーに寄付してもいい。当初、ブレイブはビットコインでこれを開始したのだが、アイク氏が言うように、途端に価格が高騰してしまった(しかも価格が上昇したため、ユーザーはビットコインを寄付せず、自分で貯め込んでしまった)。

またブレイブ内蔵の広告ブロッカーは、その広範囲に有効なトラッキング防止機能と並び、おそらく業界一の効力を誇る。「みんながトラッキングされているという感覚に悩まされ、悪質な広告を迷惑に感じています」とアイク氏は私に話した。「しかし、広告の美観には問題がないと私は思っています。問題は、さまざまなトラッキングとトラッキングのコストです。ページを読み込む時間が増え、トラッキング用のスクリプトを読み込むために無線を使い、そのスクリプトは広告を読み込むための別のスクリプトを読み込むためのスクリプトを読み込む。それでバッテリーも浪費されます」。ブレイブは、これらすべてをアンチトラッキング技術でひとまとめにする方法と、業界標準のブロックリストを超える広告のブロック方法を編み出し、さらに機器学習を使ってさらなるブロックのためのルールを特定したとアイク氏は主張している。

ウェブ上で完全に匿名でいたいユーザーのために、ブレイブにも他のブラウザーと同じようにプライベートブラウジング機能がある。しかし、Torネットワークでプライベートなセッションが開けるというオマケが付いている。これなら、ほとんどのすべての企業はユーザーを特定できなくなる。

基本的にブレイブは、単に高速で拡張可能なChromiumベースのブラウザーだ。それもユーザーへのウリになると同社は信じている。「ユーザーの獲得において(中略)最も多くのユーザーに訴求するのが、第一にスピードだと思います。しかし、スピードだけに任せておくことはできません。きれいな結び目であらゆるメリットをつなげてやる必要があります。私たちには、それがあります」と彼は言う。ブレイブにとって、スピードと広告とトラッキングからの保護は明らかに連携している。その他すべてのメリットも、そこから発している。

バージョン1.0の次を見据えて、ブレイブは、さらなる同期の改善を計画している。たとえば、タブと履歴の同期だ。また、ブレイブ・リワーズをもっと抵抗なく参加できる体験にすることも目指している。Android版ができる以前は、オプトイン契約率は40%前後だったとアイク氏は私に教えてくれた。彼らはそれを取り戻したいと考えている。

ブレイブを試してみたい方は、こちらからダウンロードしてほしい。

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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